帝王切開で生命保険はいくらもらえる?金額を解説
2024.12.27

帝王切開による出産で「高額な医療費を請求されるのではないか……」と不安になっていらっしゃいませんか?
公的医療保険のほか、民間の生命保険も適用される帝王切開は、実際にどれほどの給付金が受け取れるのか気になるものです。
そこで本記事では、生命保険に加入しているともらえる帝王切開時の給付金について、解説します。
後半は、公的補助制度についても紹介しているので、出産による経済的負担の軽減にお役立てください。
目次
帝王切開が増えている背景
自然分娩が難しく、母子に危険が伴う場合に行われる帝王切開ですが、年々増加傾向にあることはご存じでしょうか?
厚生労働省が令和2年(2020年)に実施した調査によると、一般病棟の分娩における帝王切開の割合は27.4%です。
2008年は23.3%であったことから、明確な上昇傾向にあることがわかります。
割合にして女性の約4人に1人が帝王切開で出産しているということですが、なぜ増えつつあるのか、それには以下のような理由が考えられます。
【帝王切開が増えている理由】
- 医療の進歩により帝王切開による合併症リスクが低くなった
- 35歳以上の高齢初産が増え、リスクの高い妊娠が増えた
- 不妊治療による多胎妊娠が増加しつつある
このほか逆子や双子など、以前は自然分娩を試みていたケースも、医療事故を避けるために安全を優先して、帝王切開に踏み切るようになってきたことも背景にあるようです。
帝王切開で適用される保険の種類
ここからは帝王切開での出産が決まったときに備えて、どのような保険で医療費をカバーできるのか見ていきましょう。
まず、帝王切開での分娩は医療行為に該当するため、医療保険の対象ということを覚えておいてください。
公的医療保険(国民健康保険、被用者保険)のほかに、任意で加入する生命保険のどちらも受けることができますが、それぞれ保障内容は異なります。
以下で、詳しく解説します。
公的医療保険
帝王切開では、公的医療保険の療養給付に該当する“分娩介助”が行われたとみなされるため、健康保険が適応されます。
帝王切開による分娩の処置は、病気やケガで受診したときと同じように、ほとんどの方がかかった金額の3割負担で済みます。
ただし、入院時に個室を希望した場合の差額ベッド代、食事代は対象外となり全額自己負担です。
これらの料金は病院によっても異なるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
生命保険(民間の医療保険)
“帝王切開が給付の対象”と、生命保険の保障内容に記載されている場合、出産後に給付金の受取資格が生じます。
帝王切開時に受け取れる給付金の一例は、以下の通りです。
【帝王切開時に受け取れる給付金の例】
- 入院給付金
- 手術給付金
入院給付金は、文字通り入院日数に応じて受け取れる給付金で、公的医療保険ではカバーされない差額ベッド代や食事代もまかなえます。
手術給付金は、所定の手術、つまりここでは帝王切開を受ける場合にもらえる給付金です。
退院したあとはその日から、おむつ代や洋服代、粉ミルク代など、子どもに関するさまざまな支出が発生します。
こうした出費に対しても、任意の生命保険に加入していれば、出産に伴う金銭的負担を減らすことができるでしょう。
帝王切開の場合、生命保険でもらえる金額は?
生命保険に加入していれば、出産にかかる費用をカバーできます。
ここでは、公的医療保険と比較して、生命保険で実際に受け取れる金額を記載します。
公的医療保険と生命保険の概要
種類 | 概要 | 金額 |
公的医療保険 | 病院受診時の費用の一部を公的な機関が負担してくれる | 保険適用される費用総額の7割(自己負担額は3割) |
生命保険(民間医療保険) | 入院や手術時に給付金を受け取れる |
|
1回目の妊娠前に特別な条件なしで加入した生命保険であれば、2回目に帝王切開になった場合でも原則適応となり、給付金を再度受け取れます。
ただし、商品によって保障内容は異なるので、詳細については保険会社に確認するとよいでしょう。
帝王切開にかかる費用
さて、帝王切開にかかる費用の内訳は、実際にいくらなのでしょうか?
ここから詳しく解説します。
手術費用
帝王切開にかかる手術費用は、どこの病院に行っても同額です。
予定帝王切開の場合は、20万1,400円、緊急の帝王切開の場合は22万円2,000円で、緊急で手術を行った場合のほうが若干高くなります。
予定帝王切開は、逆子や多胎妊娠(双子など)であることが事前に判明している場合や、過去に帝王切開の経験がある方に対して、計画的に行われる出産方法です。
一方、緊急帝王切開は、出産に想定以上の時間がかかって母体や胎児に危険が想定されるケースで行われます。
胎児機能不全や、常位胎盤早期剥離など、緊急処置によって早急に胎児を取り出さなければならない場合も同様です。
なお、どちらの場合であっても自己負担額は3割で、金額はおよそ6~7万円です。
検査費・処置費・薬剤費・入院費
出産後の検査費や処置費、薬剤費や入院費は、公的医療保険が適用されるので、自己負担は3割です。
ただし、一般的に帝王切開のほうが自然分娩よりも入院期間が長くなります。
厚生労働省の調査によると、自然分娩の入院日数が約6日であるのに対し、帝王切開の入院日数は約10日です。
つまり、自己負担額が3割であっても、入院が長引く帝王切開であれば、病院に支払う金額はそれだけ増えることになります。
参照:厚生労働省「令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況」
新生児管理保育料・食事代
帝王切開による分娩には、新生児管理保育料や入院中の食事代などもかかりますが、これらは公的医療保険の対象外です。
ほかにも、個室を希望した場合にかかる差額ベッド代にも、公的医療保険は適用されません。
帝王切開を含む異常分娩の場合は、3割負担の手術費用に加え、入院費や食事代などを含めておよそ50万円がかかると、厚生労働省の調査からも明らかになっています。
参照:厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」p.4
生命保険に加入するタイミング
生命保険に加入するタイミングは、ずばり“妊娠前”です。
理由は、妊娠前であれば、妊娠中よりリスクが低いと保険会社が判断するからです。
そのため、妊娠中は加入できなかったり、加入できたとしても特定部位不担保といった特別条件がついたりして、給付金の対象とはならないケースがあります。
この場合は、妊娠や出産に関係のない病気やケガによる手術や入院はカバーされますが、帝王切開に備えることはできないということです。
したがって、帝王切開に備えて生命保険に加入するのであれば、結婚前や結婚後にかかわらず、妊娠が判明する前と覚えておきましょう。
そうすれば、帝王切開だけでなく女性特有の疾患など、幅広い病気にも備えることができます。
特に年齢が若ければ若いほど、月々の掛け金は安くなりますから、生命保険に入って早めに備えておいて損はありません。
出産時に利用できる公的補助制度
自然分娩であれ帝王切開であれ、出産時にすべての方が利用できる公的補助制度には、以下の4つがあります。
①出産育児一時金
出産育児一時金は、国民健康保険(国保)や勤務先が加入している健康保険の被保険者、またはその方に扶養されている家族が出産する場合に、給付金を受け取れる制度です。
妊娠週数が22週以降(4か月以上)で出産した場合、子ども一人あたりにつき50万円が支給されます。
ただし、これは産科医療保障制度に加入している医療機関で出産した場合で、未加入の医療機関や、22週未満で出産した場合は、子ども一人あたり44.8万円に減額となります。
出産育児一時金を受け取る際は、受け取り方を選択し、自身あるいは配偶者が加入している国保や健康保険組合・共済組合に申請しましょう。
なお、妊娠期間が12週以上の死産や流産の場合も給付の対象となりますが、死産や流産した日の翌日から起算して2年が経過すると、申請できなくなるので注意してください。
②出産手当金
出産手当金は、被保険者が出産のために会社を休む場合に、その間の収入の減少を補填する制度です。
出産日以前42日(多胎妊娠は98日)から、出産日の翌日以降56日までの期間が支給の対象となり、給与の最大2/3が支給されます。
なお、この手当金を受け取るには、職場への申請が必要となります。
産前と産後に分けて申請しても、産後にまとめて申請しても構いませんが、申請受理自体は産休明けとなるため、産休期間中に手当金は受け取れません。
③高額療養費制度
高額療養費制度とは、1か月間にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合に、収入額にもとづく法定上限額を超えたぶんの金額が払い戻される制度です。
上限額は、被保険者の年齢と年収で決まります。
自然分娩は高額医療費制度の対象になりませんが、帝王切開のほか切迫早産などで医療行為を受けた際に利用することができます。
以下に、高額療養費制度の上限額(69歳以下)をまとめたので、自身がどこに該当するか確認してください。
高額療養費制度の上限額(69歳以下)
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
年収約1,160万円以上
|
252,600円+(医療費-842,000)×1% |
年収約770~約1,160万円
|
167,400円+(医療費-558,000)×1% |
年収約370~約770万円
|
80,100円+(医療費-267,000)×1% |
年収約360万円以下
|
57,600円 |
住民税非課税者 | 35,400円 |
超過した医療費が払い戻されるには、受診月から少なくとも3か月程度かかります。
診療報酬明細書の審査後に、国保や健康保険組合から支払われます。
④医療費控除
1年間の医療費が、世帯合計で10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)を超過した場合、一定の金額の所得控除を受けられるのが医療費控除です。
確定申告時に管轄の税務署に必要書類を提出することで、所得税の払い戻しが行われます。
医療費控除の対象となるのは、以下の通りです。
【医療費控除の対象となる費用】
- 定期検診や検査費用
- 助産師による分娩の介助費
- 出産に伴う入院で利用したタクシー代(ただし公共交通機関が使用できなかった場合に限る)
- 入院中の食事代
差額ベッド代は、医療費控除の対象には含まれません。
なお、医療費控除は、先述の出産育児一時金や高額療養費制度を利用したあとも、負担すべき医療費の実費が世帯の合計で10万円を超える場合に受けることができます。
生命保険の対象となる帝王切開では、入院給付金と手術給付金を受け取れる
本記事では、帝王切開による出産の際に適応される保険とその金額について解説しました。
任意加入の民間の生命保険では、帝王切開時に入院給付金として一日あたり3,000~2万円ほど、手術給付金として1万5,000~80万円が支給されます。
公的医療保険ではカバーされない、入院中の差額ベッド代や食事代は、生命保険によってまかなうことが可能です。
帝王切開による出産で、保険金を受け取るには、結婚前や妊娠前に加入することを推奨します。
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