個人年金保険とは?利用する際のメリット・デメリットを解説
2024.07.22
老後の暮らしを想像したとき、「安心して暮らせるくらいの年金を受け取れているのかな……」と不安に感じていませんか?
仕事から身を引いたあとは、お金に関する悩みは抱えず、不自由なく過ごしたいですよね。
そうした老後の不安を払拭してくれるのが、「個人年金保険」です。
そこで本記事では、個人年金保険の概要を、メリット・デメリットとともにお伝えします。
老後を穏やかに過ごしたい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
個人年金保険とは
老後の生活資金を賄う私的年金として、公的年金に上乗せできるのが「個人年金保険」です。
契約時に、保険料の支払期間と年金の受取期間を定めて、毎月保険料を払い込みます。
保険料の払い込み満了後は、年金形式または一括で給付を受けられます。
年金を受給するためには、保険会社と契約を結ばなければなりません。
なお、加入は義務ではなく、任意となります。
個人年金保険は、希望すれば誰でも加入できることから、厚生年金に加入していない個人事業主の方や主婦(夫)の方にとっても、老後の不安を解消するのに有効な手立てです。
また、個人年金保険は、受取開始時期をご自身で決められるので、公的年金を受け取れる、65歳より前に定年退職される方にもおすすめです。
個人年金保険の種類
ひと口に個人年金保険といっても、「受取期間」や「運用方法」によって分類されているため、さまざまなバリエーションがあります。
ここでは、個人年金保険の種類を一つひとつ解説しますので、保険選びの際にお役立てください。
受取期間による分類
まず、個人年金保険は、年金を受給できる期間によって、「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3つに分かれます。
万が一、受取期間内に被保険者が亡くなった場合、年金が受給可能かどうかも異なります。
その具体的な内容は、以下をご覧ください。
【個人年金保険の受取期間による分類】
確定年金 | 有期年金 | 終身年金 | |
年金の受取期間 | 契約時に定めた年数 | 契約時に定めた年数 | 一生涯 |
被保険者が亡くなった場合 | 遺族が受取可能 | 年金の受取は不可能 | 年金の受取は不可能 |
上記の内容を踏まえて、3つの個人年金保険を掘り下げていきましょう。
確定年金
被保険者が存命ではない場合でも、契約時に設定した年数は年金を受給できるのが、確定年金です。
万が一、被保険者が早期に亡くなったとしても、遺族に年金が給付されます。
ちなみに、残りの年金額は一時金としても受け取りが可能です。
有期年金
確定年金と同様に、あらかじめ設定した受取期間に受給できる年金を、有期年金といいます。
しかし有期年金では、被保険者が他界した場合、その時点で年金の支給が止まるため、遺族であっても残りの年金額を受け取れません。
なお、一部の保険会社では、生死に関係なく年金を受け取れる「保証期間付き」の保険商品を扱っているので、万が一に備えたい方はご検討ください。
終身年金
契約時に受取期間を設けずに、一生涯にわたり年金を受給できるのが終身年金です。
終身保険のように、一生涯保証される保険は、定年退職後も長く元気で過ごしたいと思ったときの、心強い味方になってくれるはずです。
ただし、有期年金と同様に、被保険者が亡くなってしまった場合は、残りの年金を受給できません。
終身年金では、被保険者が長く健康で過ごすことを想定して、保険料が割高に設定されています。
つまり、場合によっては支払った保険料を年金額が下回り、元本割れを引き起こすリスクがあるということです。
そのような事態に備えるため、終身年金においても保証期間付きの保険商品を選択するのを推奨します。
運用方法による分類
続いて、保険料の運用方法が異なる「定額個人年金保険」と「変額個人年金保険」の概要をお伝えします。
両者の違いは、“保険会社が契約者から支払われた保険料をどのように運用していくのか?”という点です。
保険会社は契約者から支払われた保険料を積み立てて、いずれ保険金として給付するために準備しています。
その際、将来起こる可能性のあるインフレや、賃金上昇に備えて、積み立てた保険料を運用し、給付する年金額を担保するためにお金を増やしているのです。
この運用方法の違いによって、受け取れる年金額に差異が生じます。
個人年金保険を選定する際の重要なポイントになりますので、以下で運用方法の仕組みを押さえておいてください。
定額個人年金保険
定額個人年金では、保険会社が老後の保険料を確実に支払うために、どの程度お金を増やせるのかを示す「予定利率」を用いて、保険料を運用します。
老後の生活設計を考える際は、受給できる年金額が決まっている定額個人年金保険が役立ちます。
また、最低保証が付加されていることから、元本割れのリスクが低いのも、うれしいものです。
心にゆとりのある生活を送れるよう、きちんと資金計画を立てたい方に向いています。
変額個人年金保険
変額個人年金保険の場合、複数の契約者から集めた保険料を、投資の専門家が株式や債券などに分配投資する、投資信託で運用します。
将来受け取れる年金額は運用次第で変化するので、高額な年金額を受け取れる可能性もありますし、反対に元本割れするおそれもあります。
なお、保険会社によって投資先が異なるため、契約する前にはホームページやパンフレットを確認しておきましょう。
個人年金保険のメリット
ここからは個人年金保険を利用することで、どのようなメリットを得られるのかを説明します。
メリット①貯蓄が苦手な方でも老後に備えられる
貯蓄が習慣化できていなかったり、頻繁に衝動買いしてしまったりする方でも、確実に貯蓄できる点がメリットです。
個人年金保険なら、銀行口座やクレジットカードから、自動的に保険料を引き落とせるように設定できるため、合理的に老後の生活資金を貯められます。
老後の生活資金を貯めたくても、急な出費が重なると、どうしても貯金を切り崩さなければなりませんよね。
ご自身でお金を管理できるかどうかを、少しでも不安に感じている場合は、個人年金保険に加入して安定的に老後の資金を積み立てておきましょう。
メリット②節税できる
個人年金保険では、税法上でも優遇されます。
個人年金保険料を払い込んでいる場合は、会社員は年末調整の際、自営業やフリーランスの方は、確定申告で生命保険料控除を受けられます。
個人年金保険料控除を受けるためには、個人年金保険料税制適格特約を付加する必要があります。
※個人年金保険料税制適格特約を付加していない場合は、個人年金保険料控除ではなく、一般生命保険料控除の対象となります。
また、税金の控除を受けるためには、以下の条件をすべて満たさなければなりません。
【個人年金保険料税制適格特約の主な条件】
- 年金の受取人が契約者またはその配偶者であること
- 年金の受取人が被保険者であること
- 保険料の払込期間が10年以上であり定期的に行われること
- 年金の支払いが開始される日に年金受給者が満60歳以上であり年金支払期間が10年以上であること
上記の条件を満たすことで、税金が控除されます。
ただし、保険料を一括で払い込んだ場合には、個人年金保険料税制適格特約を付加できませんので、注意してください。
メリット③健康状態に不安があっても加入できる
通常、生命保険を契約する際は、健康状態や傷病歴を告知する必要がありますが、個人年金保険の場合は、体調に関係なく加入できます。
体調不良が原因で保険への加入を躊躇している方にとっては、大きなメリットになるはずです。
ですが、被保険者に万が一のことがあった際、手厚い保障が受けられないことを、頭に入れておいてください。
なお、一部の保険会社では医師の診査を必要とする場合があるので、加入を検討する際はあらかじめ保険会社に問い合わせておくと安心です。
個人年金保険のデメリット
老後の生活資金を賄うための大切な保険ですから、メリットとあわせてデメリットも把握したうえで選定しましょう。
デメリット①途中解約すると元本割れを起こす可能性がある
契約後に途中で解約した場合は、解約返戻金がこれまで払い込んだ保険料を下回ってしまいます。
契約期間が短いほど解約返戻金が少額になり、長くなればそのぶん戻ってくる額は多くなります。
元本割れを起こさないために、保険料の支払いで家計をひっ迫して、途中で解約とならないよう、綿密な支払計画を立ててから利用しましょう。
デメリット②インフレリスクがある
個人年金保険では、一部を除いて、将来受け取れる年金額が決定しているため、インフレが起こると、受給できる年金額が目減りしてしまいます。
たとえば、年金の受給前にインフレ率が上昇して物価が5%上がった場合、今まで1,000円だった商品が1,050円に値上がりします。
つまり、インフレが進むと、将来的に受け取るお金の価値が下がってしまうということです。
インフレリスクに備えたいなら、運用次第で年金額の増加が見込める、変額個人年金保険の利用を検討してもよいかもしれません。
個人年金保険を選ぶ際のポイント
ご自身に適した個人年金保険を選ぶためには、どのような内容の保険が必要なのかを、きちんと見極めることが欠かせません。
以下で、個人年金保険を選定するポイントを紹介しますので、ぜひお役立てください。
ポイント①必要な年金額を試算する
個人年金保険を選ぶ際は、老後にどの程度の資金が必要になるのかを把握しておきたいところです。
個人年金保険で受け取れる額を計算するには、まず1か月あたりの老後の生活費を試算して、次に月々もらえる公的年金の額を調べます。
算出した老後の生活費から、公的年金の受給額を差し引くと、個人年金保険で賄うべき金額がわかるわけです。
なかには、老後の生活への不安から「できるだけ多くの年金を受け取りたい」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、年金額を高額に設定すると、そのぶん保険料も高くなってしまうので、のちに金銭的な余裕がなくなることも考えられます。
保険料の支払いがご自身の生活を圧迫することのないよう、適切な年金額を算出したうえで個人年金保険を選びましょう。
ポイント②加入する目的を明確にする
受け取った年金をどのように使用するのかをあらかじめ明確にしておけば、個人年金保険を選定する際の指標となります。
「趣味や旅行の資金を確保して老後を楽しみたい」「老後の生活資金の足しにしたい」など、目的が明確であれば、どの個人年金保険を選べば良いかの判断基準となるはずです。
余暇を楽しみたいなら、一定期間年金を受給できる「確定年金」や「有期年金」を、生活費を賄うなら一生涯保障される「終身年金」を選ぶとよいでしょう。
このように、加入する目的を事前に定めておけば、保険選びがスムーズに進みます。
個人年金保険を利用して、老後の生活をより充実したものにしよう
今回は、個人年金保険の概要と、メリット・デメリットを紹介しました。
個人年金保険とは、老後の生活資金を賄える私的年金のことです。
合理的に貯蓄できるだけではなく節税にもつながるので、老後の生活資金を堅実に積み立てられます。
年金の受取期間や保険料の運用方法によって、種類が異なるため、老後に必要な年金額や加入する目的を明確にしたうえで選定することが大切です。
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