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がん保険は必要なのか?メリット・デメリットや選び方を詳しく解説 

2023.03.28

「がん保険、後々必要になってくるだろうけどまだいいや」と先延ばしにしていませんか?

がんは数ある病気の中でも最も身近な病気のひとつで、年齢や性別ごとに羅患するがんの種類も異なり、対策しておくに越したことはありません。

雑誌やネット情報の中にはがん保険は不必要であるとの声もあり、本当に必要かどうかわからない…と思う方も少なくないでしょう。

そこで本記事ではがん保険は必要なのか、がん保険に加入するメリットや反対に加入するデメリットもご紹介します。

がん保険に加入する際の選び方についてもあわせて解説するので、迷っている方や自分に必要か確かめたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

日本人のがんにかかる割合は2人に1人

2019年度、日本のがんによる死亡者数はおよそ138万人。(出典元:厚生労働省令和元年(2019) 「人口動態統計月報年計」(概数))この数字は毎年の死亡者のうち、3人に1人はがんが原因で亡くなっていることを意味しています。がんにかかってしまう割合はもっと多く、日本人のうち2人に1人は一生の中でがんの診断を受けているというデータがあります。

がんという病気が誰でもかかる可能性が高いことはお分かりいただけたと思いますが、ここからはより詳しくがんのリスクについて深堀りしていきます。

生涯でがんにかかる確率

一生涯でがんになる確率は、男性で62%、女性で47%(出典元:国立がん研究センター「がん罹患・死亡データの更新に 関連する追加集計」)であり、高確率でがんを患う可能性があります。

全体的には男性の方ががんに罹患する可能性は高いのですが、20~30代の若い世代では女性の方ががんに罹患する確率が高く、特に乳がん、子宮頸がんといった女性特有のがんのリスクが高くなっています。

がんと診断されてからの生存率

がんと診断される確率は男女ともに2人に1人でしたが、その後5年の生存率はおよそ約68%です。(出典元:国立がん研究センター「全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について」)

罹患する部位によっても生存率は大きく変わり、男性であれば前立腺がんや皮膚がん、甲状腺がんなどにおける生存率は9割を超えています。

一方膵臓がんは生存率が8%ほどと、5年後の生存率の低さがうかがえます。

女性であれば男性同様皮膚がん、甲状腺がんや乳房がんなどは9割を超える生存率なものの、膵臓がんは8%ほど、胆のうがんは20%ほどと低いのがわかります。これらは早期発見や治療が難しい部位のため生存率も下がる傾向にあるのです。

医療の進歩により、がんはかつてに比べて治せる病気になってはきていますが、治療が長期化したり再発したりといった、非常に厄介な側面を持っています。

がん治療にかかる費用

がんに罹患する確率について知った次は、がん治療にかかる費用について解説していきます。がんの罹患率の高さを考えると、治療費がどのくらいかかるのか知っておきたいものです。

がんの治療にかかる費用

がん治療の年間にかかる費用は、進行具合によって大きく異なります。

初めてがんに罹患したときの医療費の平均額は43万円、医療費以外の出費もあわせると66万円というデータがあります。

また診断時のステージが進むほど治癒にあてられるコストも増え、なおかつ治療期間も長くなる傾向に。ステージ0とステージ4とでの治療費の差はおよそ3倍にまで広がります。

つまり同じがんに罹患したとしても、ステージ0の場合40万円ほど、ステージ4になると120万円ほどかかるという計算になります。

治療以外の費用

がんの治療以外に必要な費用として挙げられるのが以下です。

  • 通院するためのガソリン代や交通費
  • 入院時に必要な日用品、テレビカードなど
  • 入院時の個室代や食事代

上記以外にも、特別な療養環境下を希望した場合の差額ベッド代や入院中に自分の衣類を持ってこなかった場合はパジャマやタオル代が日割りで計算されます。

そのほか家族が病院に付き添う場合は、家族の交通費も加算されます。

がん保険でもらえるお金と保障

ここからはがん保険に加入していた場合、もらえる給付金や保障内容の詳細について解説していきます。

がん保険の加入を迷っている方はもちろん、加入したらどんな保障があるのかイマイチわかっていない方はぜひ参考にしてみてくださいね。

1.がん診断給付金

がんにおける診断給付金とは、医師に初めてがんである診断を確定されたときにもらえる給付金もしくは一時金のことです。

もらった給付金は医療費、差額ベッド代や生活費などに使え、使用用途に制限はなく、受取人の自由に使うことができます。がん保険だけではなく、医療保険にも同様の特約が付加できるケースもあります。

がんの治療方法はいくつかあり、その治療によって患者の負担も大きく変わります。

身体的な負担はもちろんですが、費用面でも負担が増える場合があり、人によっては経済面で治療を諦めたり妥協したりするケースも。診断給付金でまとまったお金をすぐに準備できれば、そのような不安を解消できるかもしれません。

診断給付金は初めての診断時の1回のみのものや複数回受け取れるものがあります。複数受け取れるものであれば、転移や再発のリスクもカバーできるため、より安心できるでしょう。

2.がん入院給付金

がん保険にある入院給付金とは、その名の通り、がん治療のための入院をすることで受け取れる給付金です。

入院した日数分もらえるのが特徴で、1日あたりの金額は5,000~10,000円程度が一般的。

中には上限30,000円という保険もあったり、1,000円ごとに設定できたりする保険もあります。

基本的に医療保険は入院給付金があっても日数に制限があるケースが多いですが、がん保険の多くは日数無制限でかけられるものとなっています。

またがんは再発や転移のリスクが高いので入院回数が増えても、その都度保障されるのが魅力的です。

3.がん手術給付金

手術給付金とは、がんの治療を目的とした手術をしたときにもらえる給付金です。

入院給付金同様、手術の回数に限らず回数無制限で利用できます。

手術の種類に応じて保障内容も変わってくるのが特長で、がん入院給付金の10~40倍で設定されているケースが多いです。

保険によっては一律20倍に設定している商品もあります。この場合、入院給付金が日額1万円であれば手術給付金は20万円受け取れるという内容になっています。

手術給付金単体で利用するのではなく、入院給付金や診断給付金と併用して利用する必要があるでしょう。

4.がん通院給付金

通院給付金とは、がんの治療のために通院したときにもらえる給付金です。

最近ではがん治療も進化しており、入院せずとも通院で治療できるケースも増えてきています。また術後に通院治療を行うのも一般的です。

だからこそ、通院の場合であってもしっかりと給付金が受け取れるようにしようという試みで設けられています。

がん治療は現在、「手術療法」「抗がん剤を使った化学療法」「放射線療法」の3つの治療法があります。

がん通院給付金は上記3つの中でも特に通院治療になることが多い化学療法と放射線療法で役立ちます。さらに、がんは手術したら終わり!ではなく、退院後の通院治療が長期にわたるため、そこをカバーしてくれるのは嬉しいポイントです。

がん通院給付金は対象期間や受け取れる日数の限度もあるので、よく調べて確認しておくことが大切です。

5.先進医療特約

先進医療特約とは、高度な治療を要し、今後その有用性や効果が確認されれば保険適用も検討される治療法のことです。

先進医療はその治療内容と施術ができる病院が厚生労働省によって定められているので、どの病院でも先進医療が受けられるわけではありません。

先進医療が行われている病院としては、大学病院や研究センターといった大きな病院が主に指定されています。

先進医療は現時点で公的な医療保険の適用外扱い、つまりは全額自己負担ということになります。

がん治療に関係する先進医療の中には重粒子線治療や陽子線治療のように治療費が300万円ほどかかるものがあります。これらに加えて入院費や交通費等もかかるので、先進医療が優れた治療ではあるものの、かなりの経済的負担になると考えられます。

先進医療特約がついている保険であれば、一定の上限額まで治療にかかる実費を保障してくれます。

6.放射線治療給付金・抗がん剤治療給付金等

抗がん剤治療給付金や放射線治療給付金などは、一見通院給付金と似ているものの、各種治療に特化しているのが特長です。

例えば放射線治療給付金であれば、治療を行ったときのタイミングで給付金が受け取れ、1回あたり日数制限が設けられています。

抗がん剤治療給付金も同様で、抗がん剤治療やホルモン剤治療といった薬物療法を行った際に受け取ることができ、月額給付タイプや回数無制限タイプがあります。

対象となる薬剤は保険適用のものから国内未承認のものまで保険会社各社の商品によって許容範囲が異なります。

7.女性特約

女性特約、別名女性疾病特約は、女性特有の病気を保障してくれる保険制度です。

女性がなりやすい・女性ならではの病気である子宮がんや子宮頸がん、乳がんや卵巣がんといった病気の保障を手厚くカバーしてくれるのが特徴。

一般的には女性特約内の病気で入院や手術を行った際に入院保障・手術保障のほかに、女性特約ならではの保障が上乗せされる構造です。

女性ならではの疾病は30代から40代で急激に増え、50代以降も罹患するリスクが高いため、入っておくと安心でしょう。

保障内容によっては女性特有の疾病にも対応した医療保険もあるため、女性特約を利用すべきかどうかはよく確認する必要があります。

がん保険に加入するメリット

ここからはがん保険に加入した場合のメリットについて解説します。

がん保険に加入するメリットは主に下記2つです。

  • がんに特化したさまざまな給付金がもらえる
  • 自分の状況に合わせて特約を追加できる

がんに特化したさまざまな給付金がもらえる

先述したように、多くのがん保険には、あらゆる給付金があります。

がん入院給付金、がん通院給付金、がん給付金などです。そのときそのときによってもらえる給付金は、生活費として補填したり、医療費にあてたりするなど、経済的に助けてくれるでしょう。

貯蓄がある方でも、がん治療のために切り崩す必要がなく、心の安心につながります。

また、がんの治療が長期化した場合でも、給付金があれば治療費をカバーしてくれるので安心して治療を継続できます。

がんにより働けなくなってしまった期間、会社員であれば健康保険の傷病手当金がありますが、自営業や個人事業主の方は補填がないので、がん診断給付金のようなまとまったお金が診断時に受け取れると生活費の一部として役立つでしょう。

自分の状況に合わせて特約を追加できる

がんには様々な治療法があり、中には医療費が自己負担になるケースも珍しくありません。

最近ではがんの進化に伴い、保障も充実しているので特約も増えているのです。

先ほどご紹介した抗がん剤治療給付金や放射線治療給付金もそうですし、先進医療特約もそのうちの一つです。

もし40代女性でがん保険を検討しているのであれば、女性疾病に備えて女性特約を追加すべきでしょう。

そのとき状況に合わせて、自分に合った特約を追加できるのはメリットといえます。

がん保険に加入するデメリット

がん保険にはメリットがある反面、デメリットも存在します。

ここからはがん保険に加入するデメリットや注意点についてご紹介します。

がん以外の病気・怪我には適用されない

がん保険はその名の通り、がん以外の病気や怪我には適用されません。

がんに特化した保険だからです。

医療保険であれば、がん以外の病気や怪我にも保険が適用されるので、保証範囲が広く魅力的に感じるかもしれません。

がんだけでなく幅広く病気・ケガのリスクに備えたい方は、医療保険にがん関連の特約を付加すれば、がん保障を同時にもつことができます。

がん保険はあくまでがん保険のみのサービスですので、年齢や状況に合わせて利用するようにしましょう。

免責期間にがんになったら保障されない

免責期間にもしがんに羅患した場合、保障されないのがデメリットです。

免責期間とは、健康告知や申込書を提出しがん保険を契約したあとの、90日間のことを指します。

もし契約後、免責期間中にがんと診断されても、がん保障にまつわる給付金を受け取ることはできません。

がん保険を見直して乗り換えたいと思っている方は、免責期間があるため保障期間に空白できてしまうおそれがあります。免責期間が過ぎるまではあらかじめ入っていたがん保険は解約せずに続けておくのが無難です。

また免責期間であっても保険料の支払いは必要なのが一般的です。それらも考慮して決めましょう。

がん保険の必要性が高い人の特徴

ここまでがん保険に加入するメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、ここからはがん保険の加入の必要性が高い方の特長について解説します。

加入するか迷っている方はこれからご紹介する内容と自分が当てはまっているか確認しながら見てくださいね。

貯蓄がなくがん治療を十分に受けられそうにない人

がんになり手術などの治療をするうえで、費用はかさみます。

治療費はもちろん、細かいところでいうと病院に通う交通費なども治療がなければ本来かからないお金です。

入院期間中は仕事も休まなければならないので、その分働けません。

収入も減るのは言うまでもありません。

がん治療は100万円ほどかかるケースもあるので、貯蓄が十分にない方は保険に加入していないと治療を諦めなければならない可能性もでてきます。

またがんは再発・転移のリスクが高い病気でもありますから、1回の治療で治るとは限らないのです。

十分に貯蓄がないことで治療をあきらめることになるかもしれないと思っている方は、がん保険に入っておくのがおすすめです。

貯蓄を切り崩したくない人

貯蓄はあるものの、がんになって働けなくなったとして、貯蓄を切り崩したくない方はがん保険に入っておくと安心です。

将来のために貯蓄をしている方はいるでしょうが、がん治療のために貯金をしている方は少ないでしょう。

貯金は何に使ってもよいお金ですが、それらをがんのためだけに使いたくない!という方は、あらかじめがん保険に加入しておくのが無難です。

自営業や個人事業主

会社員ががんになって働けなくなってしまった場合、傷病手当を受け取ることができます。

一方自営業や個人事業主ががんで働けなくなっても、傷病手当のような公的支援を受けることはできません。つまり、収入が途絶える状態が続くことになります。

またがんの完治、再発・転移のリスクがあることを考えると、数年単位で満足に働けない可能性すらあるのです。

さらに治療が長引くことで事業の継続をあきらめざるを得ないこともあります。あらかじめがん保険として対策しておく必要があります。

先進医療や抗がん剤治療など治療の選択肢を広げたい人

もしがんになった場合、先進医療や抗がん剤治療など、治療の選択肢を広げたい方も多いのではないでしょうか。

そんな方にはがん保険はおすすめです。

がんと一口に言っても年齢ごとに発症しやすい部位も違えば、すぐには手術できない、器官同士が密接しているから手術の難易度が高いなど、いろんなケースがあります。

場合によっては放射線治療等を用いてがんを小さくした後で、手術で取り除くなど複数の治療を併用するケースも。

そんなときにがん保険があれば、あらゆる状況に合った治療を施すことができます。

がん発症率が高い40代、50代に備えたい人

先述したようにがんの発症率は2人に1人、そのうち亡くなるのは3人に1人といわれ、高確率でがんと付き合っていくことになるでしょう。

特にがんの発症率の高い40代・50代の方は、入念な準備が欠かせません。

健康診断は定期的に受けていても、がんがわかったときにはステージが進行している可能性があります。

がん保険に加入しておくことで、もしものときでも落ち着いて対応することができるでしょう。

がん保険に入ってももったいない?不要な人の特徴

ここではがん保険に入る必要がない、不要な人の特長について解説します。

当てはまる人はあえてがん保険に入る必要がないので、要チェックです。

がん治療を受ける貯蓄が十分にある人

がんを罹患した場合、働けなくなったり、治療費・医療費がかかったりして金銭的負担が増えるわけですが、それでも貯蓄が十分にある方は、あえてがん保険に入る必要性は高くありません。

がん保険は当たり前ですが保険料を払い続けなければならないことを考えると、もしものときの貯蓄がある方にとってがん保険の必要性は低いと言えます。

既に医療保険や就業不能保険などで備えている人

がんに罹患する前や普段から医療保険に入っている方や就業不能保険に入っている方は、がん保険の加入の必要性が薄くなります。

がん保険に入らずとも補填できる備えがあるからです。

医療保険の中にもがんに特化したものやがん特約がついているものなどもあり、もしものときの備え方はがん保険だけではないのです。

もし現在加入している保険で、がん治療をカバーできる内容が充実している場合、あえてがん保険に加入する必要はないでしょう。

関連記事:医療保険はいらない?必要・不要な人の特徴や選び方を徹底解説 

がん保険の選び方

がん保険の主な選び方は下記です。

  • がん保険の特長で選ぶ
  • 最新の治療に対応しているかどうかで選ぶ
  • 一時金や給付金が受け取れるかで選ぶ

がんを罹患した場合、入院や通院などあらゆる治療法があるため、治療を受けたときの保障内容で決めるのがベースとなるでしょう。

そのほか貯蓄が少ない方や保険料を抑えたいという方は、一時金が受け取れるタイプや掛け捨てタイプだと、保険料も安く、がんと診断されたときに決められた額を受け取ることができます。

がん保険の中には少ない保険料ながら、大きな保障を受けられるものもあるので、保障内容はいくつものがん保険を見比べて決めるのがおすすめです。

そのほか高度な治療を受けたい方は、がん先進医療特約がついている保険がおすすめ。

先進医療は公的医療保険の対象外なので全額自己負担ですが、保障限度額内であれば実費分を補填してくれます。

最近はがんの治療も進化を遂げており、保険そのものの数も増えているので、どのような保障内容か、給付金は充実しているか、保険料と保障内容のバランスなどをよく見て決めましょう。

がん保険の加入の有無は今の自分とがんの関係性で決めよう

今回はがん保険に加入すべきか、そうでないか、また選び方や種類についてご紹介してきました。

日本の3人に1人ががんが原因で亡くなっているなど、決して他人事にはできない存在です。

また40代以降はがんに罹患する確率が上昇するため、がんに対する備えは欠かせません。

最近では様々な保障や特約がついたがん保険が登場しているので、自分の性別や年齢などに合わせた保険を選ぶのがおすすめです。

迷ったときは検討している保険をいくつか見比べ、メリットが多いものにするとよいでしょう。

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