外貨建ての生命保険とは?メリット・デメリットも紹介
2024.01.22
「外貨建ての生命保険」をご存じでしょうか?
生命保険の一つですが、一般的な円建ての保険とは仕組みやメリット・デメリットが異なります。
本記事では一般的な生命保険をはじめとして、保険を外貨建てで行うメリット・デメリットを紹介します。
外貨建ての保険の仕組みを知りたい方は、ぜひ本記事を最後までお読みください。
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外貨建て保険とは?
外貨建て保険とは、月々の保険料の支払いや、保険金・解約返戻金の受け取りまで、一貫して外貨である外貨で行うタイプの商品です。
円建ての保険と商品の仕組みは同じですが、日本より金利の高い国で運用されることで高い利率が期待できるため、資産運用にも向いているのが特徴です。
保険代理店の窓口での取り扱いも多く、外貨建て保険へ加入する方も増えています。
はじめに、主な外貨建ての保険を3つ紹介します。
外貨建て終身保険
外貨建て終身保険は、月々の保険料の支払いや、保険金の受け取りをすべて外貨で行う保険商品です。
終身保険とは、被保険者の死亡後に、死亡保険金が指定の受取人に支払われる生命保険です。
保障が一生涯続くため、被保険者がいつ亡くなったとしても、遺族などが死亡保険金を受け取れます。
なお、商品によっては、一定期間経過後の解約時に、解約返戻金を受け取れるタイプのものもあります。
ただし外貨建ての商品なので、為替変動の影響や為替手数料が発生することは踏まえておきましょう。
関連記事:保険の終身・定期とは?それぞれの概要とメリット・デメリット
外貨建て養老保険
外貨建て養老保険は、死亡保障と貯蓄を同時に行える養老保険のうち、保険料の支払いや保険金の受け取りを外貨で行う保険商品です。
万が一、被保険者が亡くなった場合は遺族が死亡保険金を、満期を迎えた場合には被保険者が満期保険金を受け取れる仕組みです。
外貨建て養老保険で受け取れる保険金額や満期保険金も、為替状況によって左右されます。
なお、途中解約した場合に、解約返戻金が支払われる点は終身保険と同様ですが、養老保険は多くの場合、今まで支払ってきた保険料の総額を下回ることになるので注意しましょう。
外貨建て個人年金保険
外貨建て個人年金保険とは、公的な年金とは別に、保険料を外貨建てで支払いつつ将来に備える民間の年金です。
老後の生活に不安がある場合などに利用されます。
なお、受け取る年金タイプによって、確定年金、有期年金、終身年金の大きく3つに分かれます。
ほかの外貨建て保険と同様、受け取れる年金額は為替相場によって変動する仕組みです。
外貨建て保険のメリット
ここまで、外貨建て保険の種類を解説しました。
ここからは、外貨建て保険が持つ2つのメリットを紹介します。
メリット➀円建て保険よりも高い貯蓄性が期待できる
円建て生命保険に比べて、一般的に貯蓄性が高いことが外貨建て生命保険の大きなメリットです。
その理由としては現在、日本よりも高い金利水準で推移する外貨で資産運用を行うため、高い予定利率や貯蓄性が期待できるようになっています。
日本が低金利であり、かつ外国の金利水準が高く保たれている限りは、円建ての一般的な保険よりも効率的な資産形成効果が続くと考えられます。
メリット②為替差益が発生することがある
外貨建て保険では、為替差益の恩恵にあずかれることもあります。
為替差益は、為替相場の変動によって生じる利益です。
仮に、米ドルの場合1ドル100円の為替レートで、1ドル(100円)分の飴を購入したとします。
その後、為替レートが変動して1ドル110円の円安になったと仮定すると、110円で売却が可能です。
この場合、飴の購入費の100円と、売却額の110円の差益である10円が利益になります。
これが為替における差益です。
同様のメカニズムで、外貨建て保険の保険金受け取りタイミングで円安だった場合、一般的な円建ての保険よりも多くの保険金を受け取れるというわけです。
なお、ドルに限らずほかの通貨(オーストラリアドル等)での外貨建て保険であっても、為替レートの状況によっては、外貨建て保険と同じような差益のメリットを享受できます。
外貨建て保険のデメリット
もちろん、外貨建て保険にはデメリットもあります。
ここからは外貨建て保険の3つのデメリットを紹介します。
デメリット➀為替差損が発生することがある
外貨建て保険では、為替変動によって受け取れる保険金や解約返戻金が、支払ってきた保険料の総額を下回る場合があるという事実を理解しておかなければなりません。
為替が円安のときに、保険金や解約返戻金を受け取れば、為替差益のメリットを享受できます。
逆に、円高のときに保険金や解約返戻金を受け取れば、為替差損を被ることになります。
もし、受け取りのタイミングで為替レートが円高に傾いているときは、一旦外貨で支払いを受け、円安に転じたタイミングで円に両替すれば、この難点をカバーすることが可能です。
デメリット②支払う保険料が毎回変動する
外貨建ての生命保険は、保険料の支払いも外貨で行います。といっても外貨を準備する必要はなく、保険会社がその時の為替レートにあわせ自動的に計算される円建ての金額を支払うことになります。そのため、月払の場合は毎月、年払の場合は毎年、円に換算して支払う保険料の金額が異なります。為替レートの変動で、ご契約時には想定していないほど円安になった場合は、支払う保険料が思いのほか高く感じてしまうかもしれません。逆に円高の場合は支払う保険料が低くなります。外貨建て保険を検討するときは、支払い金額の変動を考慮し、余裕のある保険料水準にしておきましょう。
デメリット③円と外貨を両替する際に手数料がかかる
外貨建てという特性上、保険料の支払い時や、保険金および解約返戻金の受け取り時に、為替手数料がかかるという事実も覚えておきましょう。
為替手数料は通貨を別の通貨に替える際の手数料ですが、保険会社によって採用している為替レートが異なることから、為替手数料にも違いがあります。
外貨建て保険の検討時には、一般的な円建ての保険にはない諸経費がどれくらい含まれているのかを加入前に確認しておきたいところです。
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外貨建て保険に向いている方の特徴
外貨建て保険は、すべての方に等しくおすすめできるわけではありません。
ここからは、外貨建て保険への加入をおすすめしたい方の特長を3つ紹介します。
相続対策に生命保険を活用したい方
生命保険を、資産の相続対策として活用したいとお考えの方には、外貨建て保険がおすすめです。
相続対策に生命保険を活用すると、下記のようなメリットがあります。
- 節税効果がある
- 受取人を指定できる
- 万一の場合、遺族にすばやくお金を残せる
- 為替差益の恩恵を受けられる場合がある
相続に際しては相続税が発生しますが、生命保険には非課税枠が設定されているため、節税対策になるのです。
生命保険の非課税枠は、具体的に「500万円×法定相続人の数」と定められています。
たとえば、相続人が3名の場合は、「500万円×3=1,500万円」が非課税枠となります。
対策を講じずに貯蓄で遺す場合と比べて、支払うべき税金を抑えられるのがおわかりいただけるでしょう。
また、受取人を指定できるという利点もあります。
遺産の相続を巡っては、遺族間でトラブルに発展するケースも珍しくありません。
多くの場合、「誰がどれだけ」相続するかというのが争いの種です。
しかし、生命保険であれば加入時に保険金の受取人を指定できるので、相続争いに発展する余地はありません。
さらに、保険金の支払いは迅速で、遺産相続にかかる手続きに比べて、はるかに早くお金を受け取ることができます。
通常の相続であれば、相続人と認められても、資産継承までには法的手続きで長い時間を要することが少なくありません。
しかし、生命保険であれば一般的に請求から1~2週間で保険金が支払われます。
くわえて、先述した通り、外貨建て保険は円安の為替レート下において、受け取れる保険金の額が一般的な円建ての保険よりも大きくなります。物価の上がるインフレの時期では円安になる傾向があるため、物価上昇にある程度対応できる機能を備えています。
一定の資産がありなおかつリターンを得たい方
外貨建て保険は日米の金利差や為替変動で、一般的な円建ての保険よりも大きな貯蓄性を期待できる商品です。
日本よりも高い外国の金利が反映される外貨建て保険では、長期間にわたって保険を継続することで円建ての保険よりも、外貨建てでの解約返戻率が高く、円安時には為替差益で円建ての資産を増やせる可能性があります。
ただし円高に転じた場合は、反対に為替差損を被ることがあり、円建てでの元本保証はありません。
そのため、「今の時点で十分な資産はあるけれど、資産を外貨に分散し、資産形成の効率化を考えたい」という資産運用や投資への関心が高い方に、おすすめの保険商品と言えるでしょう。
外貨建て保険への加入前にチェックすること
最後に、外貨建て保険へ加入する前に、チェックしておきたいポイントを3つ紹介します。
ご自身に合った保険に加入するためにも、必ず確認してみてください。
目的に合っているか
外貨建て保険に限った話ではありませんが、まずはご自身の目的に合っているかを確認してみましょう。
先述した通り、外貨建て保険はアメリカとの金利差や為替差益により、一般的には円建ての保険よりも貯蓄性が高くなるので、資産運用の手段として活用したい場合は、目的と合致します。
注意したいことは、為替リスクを伴うため、解約返戻金を受け取るタイミングが円高であるなど、為替の状況によっては期待したほど貯蓄性が高くならないこともあります。
そのため、ご自身にもしものことがあった際に備えて、家族へ決まった金額以上の保障を確実にしたいのであれば、外貨建て保険への加入は向いていません。
また、「将来受け取れる金額が確定していないのは困る」という方も、違う商品を選択したほうがよいでしょう。
外貨建て保険が持つメリット・デメリットや、仕組みを理解したうえで、ご自身の目的と合致しているかどうかの確認が大切です。
商品の仕組み・リスクを理解しているか
上記の繰り返しにはなりますが、商品の仕組みやリスクはしっかりと把握しておきましょう。
外貨建て保険のメリットやデメリットの項で触れたように、一般の円建て保険と比較して同保険の仕組みは複雑です。
現状の日米金利差の環境であれば、高い貯蓄性を期待できる反面、為替リスクによる円換算時の元本割れが起こる可能性もあります。
そのため、しっかりと腑に落ちるまで、外貨建て保険商品の仕組みとリスクを調べ、理解しておくことが肝要です。
「なんとなく円建ての保険よりもリターンが大きそうだから」という安易な動機で加入するのは禁物です。
もし、ご自身で調べた範囲では理解できない事項があったり、疑問が払拭できなかったりするのであれば、保険代理店などでプロのアドバイザーに相談してみることをおすすめします。
より良い商品を選べているか
外貨建て保険の仕組みやリスクを頭に入れたうえで、「自分にとって、もっとも良いものはどれか」という観点で保険商品を選ぶとよいでしょう。
同じ外貨建て保険であっても、保険会社によって保険料や積立利率、為替手数料、そして保険金の額や、支払い条件は異なります。
「外貨建て保険ならどこでもいいだろう」という短絡的な決断ではなく、じっくりと複数の商品を比較検討しながら、ご自身にぴったりの商品をお選びください。
外貨建ての生命保険の仕組みを正しく理解したうえで加入しよう
いかがでしたでしょうか。
今回は外貨建て保険の概要やメリット・デメリットを紹介しました。
外貨建て保険は、保険料の支払いや保険金・解約返戻金の受け取りを、外貨であるドル等で行うタイプの保険です。
受け取れる保険金や解約返戻金の水準が、一般的な円建ての保険商品よりも大きくなる可可能性があるのがメリットです。
一方で、将来円高に転じた場合は、為替差損が出て、円に換算した場合のトータルの貯蓄性や保険金額が期待よりも低くなってしまうというリスクもあります。
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