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就業不能保険とは?医療保険との違いや加入のメリットを解説

2024.02.27

怪我や病気に備える保険は、医療保険が一般的です。
では、同様の事態に備えられる「就業不能保険」をご存じでしょうか。
どちらも同じリスクに備える保険ですが、保険の内容には明確な違いがあります。

本記事では、就業不能保険と医療保険の差異とあわせて、就業不能保険に加入するメリットを、具体的に解説します。
双方の保険の差異を把握して、今後の保険選びに活かしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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そもそも就業不能保険とは?

就業不能保険は、被保険者が、怪我や病気によって、長期入院や治療などが必要になり、収入が減少した場合に備える保険です。
保険期間中は、毎月一定額の保険金が支給されるのが特徴です。

働けない状態に陥った際、場合によっては、障害年金や傷病手当金などの公的保障を受けられますが、それだけでは生活費が賄えないケースも考えられます。

配偶者や家族は、家計を担う方が怪我や病気で働けなくなると、生活費を貯金から捻出しなければならない可能性があります。
そうなると、貯金がいつ底をつくのか、不安な日々を送ることになるでしょう。
その点、就業不能保険に加入していれば、公的保障とあわせることで、家庭の経済的な負担を解消できるのです。

就業不能保険と医療保険との違い

就業不能保険の概要が把握できたところで、ここからは、医療保険との違いを説明します。

結論から述べると、それぞれの保険で、保障する内容が異なります。
就業不能保険は、被保険者が働けなくなったことに起因する、長期的な「収入」の減少をカバーするための保険です。
対して、医療保険には、怪我や病気によって発生する、一時的な「医療費」を賄う役割があります。
「収入」と「医療費」のどちらをカバーするのかが、就業不能保険と医療保険の明確な違いです。

それぞれの違いを理解したうえで組み合わせて利用すると、より安心感が得られるのでおすすめです。
詳しい内容は、後ほど解説します。

関連記事:医療保険はいらない?必要・不要な人の特長や選び方を徹底解説

就業不能保険の選び方

次に、就業不能保険の選び方を解説します。
各項目の内容を押さえて、ご自身に合った保険選びにお役立てください。

保険の種類を選ぶ

就業不能保険に似た内容の保険に、損害保険会社が取り扱う、「所得補償保険」があります。

就業不能保険は、保険期間が長く、契約中は保険料が一律なのに対して、所得補償保険は、保険期間が短くなっており、場合によっては、更新のたびに保険料が高くなります

被保険者が働いている期間は、常に保障を用意しておきたい方には、就業不能保険が最適でしょう。
一方で、結婚や出産などの理由で、近い将来に多くの出費が予想される方には、短期間だけ保障を用意しておける所得補償保険をおすすめします。

とはいえ、どちらの保険も、被保険者が怪我や病気で働けなくなった際に、収入の減少をカバーしてくれるという点は共通しています。
近年は、保険の内容が多様化しており、双方の保険の特徴に差がなくなってきているので、どちらの保険がご自身に合っているのか、保険会社に相談してみるのも一つの手です。

保険金額を決める

就業不能保険の保険金額を決める際、基準になるのは、ご自身の収入です。
保険金額は、それまでの生活水準を維持し、家族に負担をかけないために、月収と同等程度になることが求められます。

ただし、収入の額はあくまでも目安の一つです。
治療にかかる費用と、公的保障で支給される金額も、計算に含めなければなりません。
治療にかかる費用は、怪我や病気の程度によって変わるので、治療費や入院費の相場を事前に下調べしておくとよいでしょう。
さらに、公的保障の内容は、会社員と自営業の方で異なるので、ご自身が受け取れる保障の額を把握しておく必要があります。

適切な保険金額を設定する際は、ご自身の収入とあわせて、治療費はいくら確保しておくべきか、公的保障はどの程度受けられるのかを、明確にしておくことが大切です。

保険期間を決める

就業不能保険の保険期間は、50~70歳のあいだ で、5年刻みで選択できます。
被保険者が主な働き手の場合、万が一働けなくなると、世帯収入が大幅に減少するため、生活水準を下げる必要があり、家族に負担がかかります。

そのような事態に備えるなら、就業不能保険の満期は、被保険者が定年退職する60~70歳に設定するのが、もっとも効果的です。
被保険者に不測の事態が起こった際、経済的に家族が安心できる環境を整えておくことが何よりも重要なのです。

働いている期間のうち、出費が多くなる時期に絞って備えたい場合は、就業不能保険の満期を、ご自身が希望する時期に設定できます。
ご自身がどのようなリスクに備えるべきか考慮して、適切な保険期間を定めるよう意識してください。

支払対象外期間を確認する

就業不能保険を選択するうえで、支払対象外期間の確認も、外せない項目です。
支払対象外期間は、働けなくなってから保険金を支給されるまでの期間で、一般的に60~180日までのあいだから選択できます。

就業不能保険で発生する保険金は、この期間が経過してからでないと、受け取ることができません。
そのため、支払対象外期間を設定する際は、ご自身に最適な期間を熟慮する必要があります。

また、就業不能保険の保険料は、支払対象外期間が長くなるほど安く抑えられます。
会社員や公務員の方は、仕事を休みはじめて4日目から、公的保障である傷病手当金を受け取れるので、
支払対象外期間を長期に設定して、保険料をできるだけ抑えるのが得策です。

対して、自営業の方の場合、公的保障が少ないので、なるべく早く保険金を受け取れるように、支払対象外期間を短く設定することをおすすめします。

なお、支払対象外期間の幅は、保険会社によって差異があるため、事前に確認しておきましょう。

就業不能保険のメリット

改めて、就業不能保険に加入することで得られるメリットについて、具体的に解説します。

メリット①公的保障で賄いきれない生活費をカバーできる

就業不能保険に加入していれば、公的保障で賄いきれなかった生活費を、カバーすることができます。

会社員や公務員の方は、働けない状態になった場合、傷病手当金や障害厚生年金などの公的保障を受けるのが一般的です。
しかし、働けない状態が長期間続くと、治療にかかる費用がかさみ、公的保障だけでは生活が立ち行かなくなるかもしれません。
そのような場合でも、就業不能保険に加入していれば、公的保障で賄いきれなかった費用を補填でき、働けない期間も経済的な不安から解放されます。

また、自営業の方が加入する国民健康保険には、傷病手当金の制度は適用されません。
自営業の方が、怪我や病気で治療が長期にわたり、働けない状態が続いてしまっても、収入に対する保障が得られないということです。
そのため、自営業の方は、万が一の際の生活費を確保するために、就業不能保険への加入が必要不可欠だと言えます。

どのような職業の方も、公的保障があるからと安心せず、就業不能保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

メリット②医療保険で賄いきれなかった費用をカバーできる

先述した通り、就業不能保険は、医療保険と組み合わせることで、医療保険で賄いきれなかった費用をカバーできます。

医療保険に加入していれば、怪我や病気で入院、手術が必要になった場合、治療にかかる費用が保障されます。
しかし、医療保険で保障を受けられる日数には上限が設けられており、その上限を超えた場合、医療費や生活費はご自身で負担しなければなりません。
そのようなとき、就業不能保険にあわせて加入しておけば、医療保険で対応しきれないぶんの費用を賄うことができるのです。

就業不能保険と医療保険の双方に加入して、いかなる状況にも対応できるよう、備えておきましょう。

メリット③働けなくなった場合の精神的な負担を軽減できる

就業不能保険は、被保険者が働けない状態に陥った場合、被保険者とその家族の経済的な負担はもちろん、精神的な負担も減らすことができます。

怪我や病気で、突然働けなくなることは、どなたにでも起こりえます。
しかし、日常生活でかかる費用は、変わらず払いつづけなければなりません。
ライフラインにかかる費用やローンの支払いに、お子さまがいる家庭では教育費も必要です。
そのような費用も、就業不能保険の保険金で賄うことが可能なのです。

働けない状態で、生活費や治療費などの出費がかさんでいくと、精神的にも落ち込んでいくでしょう。
就業不能保険に加入すれば、そういった不安から解放され、治療に専念できる点もメリットと言えます。

就業不能保険の注意点

就業不能保険のメリットをお伝えしましたが、あわせて注意点も押さえておいてください。

注意点①支払対象外期間が長い

先述した通り、就業不能保険には、支払対象外期間が設けられています。
一般的には60~180日で設定されており、働けない状態になってから、しばらくは保険金を受け取ることができないので、注意が必要です。

医療保険では、入院1日目から保険金が支給される保険商品もあるなか、支払対象外期間が設けられている就業不能保険は、支払い条件が厳しいと思われがちです。
ところが、保険会社によっては、支払対象外期間を60日より前に設定できる場合があります。
就業不能保険への加入を検討している方は、支払対象外期間に融通は利くのか、保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

注意点②精神疾患が対象に含まれていない保険がある

各保険会社で就業不能状態の定義は異なり、一部の保険会社は、精神疾患を対象にしていない場合があります。

近年、精神疾患を患う方は増加傾向にあり、現代社会において他人事ではなく、いつご自身の身に降りかかるかわかりません。
他人事ではないからこそ、就業不能保険を選ぶ際には、精神疾患も就業不能状態の対象に含まれているのかを確認したうえで、選定することが重要です。

就業不能保険が必要な人

就業不能保険が必要なのは、どのような方でしょうか。

自営業の方は、怪我や病気で働けなくなった際の公的保障が少ないので、いち早く保障を受けて生活を維持するためにも、就業不能保険への加入を検討しましょう。

就業不能保険では、職種による保険料の違いはありません。
ですが、自営業の場合、保険会社によっては加入条件が設けられるケースがあるので、あらかじめ承知しておいてください。
加入に必要な条件は、主に以下の通りです。

【就業不能保険に加入する際に条件として挙げられる内容】

  • 100万円以上の安定した年収がある
  • 危険な仕事に従事していないこと

また、所得を確認するため、確定申告書の提出を求められる可能性があるので、先んじて用意しておくと契約がスムーズに進みます。

自営業の方は、公的保障が少ないぶん、会社員や公務員と比べると、働けなくなった場合のリスクが高いので、万が一の備えは確実に用意しておきたいものです。

就業不能保険が不要な人

働けない状態になって収入が途絶えても、貯蓄が十分にあり、生活に支障がないのであれば、就業不能保険への加入は必要ありません。

また、家賃収入や株式の配当などで稼いでいる方も、働けなくなっても収入が見込めるのであれば、就業不能保険は不要です。

就業不能保険は、公的保障や医療保険と組み合わせて利用しよう

今回は、就業不能保険について、医療保険との違いと、加入するメリットを紹介しました。

就業不能保険は「収入」を保障し、医療保険は「医療費」を保障します。
就業不能保険は、公的保障や医療保険とあわせて利用すれば、被保険者に長期入院や治療が必要になった場合も、収入と医療費を賄えるので、安心して治療に専念することが可能です。
また、配偶者や家族の経済的な不安を解消する意味でも、就業不能保険への加入を検討してみてください。

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この記事を書いた人

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