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収入保障保険とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

2023.08.21

ご自身がいなくなったあと残された家族に生活費を残しておきたいのであれば、収入保障保険は検討したい選択肢の1つです。

この記事をお読みの方の中には、収入保障保険の加入を考えているものの「長所と短所がよく理解できない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、収入保障保険のメリット・デメリットや、ほかの死亡保険と異なる点を解説します。

収入保障保険の強みがわからず、加入を迷っている方は参考にしてください。

収入保障保険とは?

収入保障保険は、被保険者が死亡または高度障害状態に陥ったときに、毎月一定金額の保険金を受け取れる、死亡保険の一種です。
自身に万が一のことがあった際、残された家族の生活費をカバーするのが目的です。
病気やケガの際の収入減少を補う「就業不能保険」や「所得補償保険」とは特性が異なりますが、名前が似ているため混同されやすい保険です。

収入保障保険には、保険期間が経過すると段階的に受け取れる保険金が少なくなっていくという特徴があります。
受け取れる保険金の額が一定ではないと聞くと、ネガティブなイメージを抱かれるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。

ライフステージが進むと、子どもの独立やローンの完済などによって、普段の生活にかかる費用は徐々に減っていきます。
必要な資金の変化に応じて保険金が少なくなる設計のため、そのぶん保険料が抑えられているのです。

少ない保険料の払い込みで大きな保障を受けられる収入保障保険は、家族が生活に困窮するリスクに備える有力な手段です。

特徴①保険金の受け取り方法を選択できる

基本的に収入保障保険の保険金の受け取り方法は、被保険者が死亡したあとに、遺族が毎月一定の金額を受け取る年金形式です。

契約内容によっては、被保険者の死亡時に一括で、あるいは一部をまとめて受け取って残りを年金形式で受け取るなど、年金形式以外の方法を選ぶことも可能です。
しかし、一括で受け取る場合は年金形式の場合と比べて、保険金の総額が少なくなってしまうということを念頭に置きましょう。

特徴②支払保証期間がある

収入保障保険には、被保険者が何歳で死亡したかにかかわらず、保険金を受け取れることが確約されている支払保証期間があります。

65歳に保険期間が満了する契約で、設定されている支払保証期間が2年間の場合、被保険者が64歳で死亡したとしても、保険金を受け取れる期間は2年間です。
このように、被保険者が保険期間の満了間際に死亡した場合でも、設定している支払保証期間中は年金形式で保険金を受け取れます。

支払保証期間は被保険者が契約の段階で設定しますが、長ければよいというわけではありません。
収入保障保険では、支払保証期間が長いほど保険料が高くなってしまうからです。

そもそも収入保障保険では、保険金が必要な期間は基本の保険期間がカバーしています。

支払保証期間は1~2年といった、短い期間を設定していれば十分という考えであれば、

保険料を高く設定してまで支払保証期間を長く設定する必要はないかもしれません。

死亡保険の種類

保険には多くの種類がありますが、収入保障保険のように被保険者の死亡時に保険金を受け取れるものを、死亡保険と言います。
死亡保険に加入していれば、被保険者に万が一のことがあった際、残された家族に生活のための資金を残すことができます。

死亡保険にはさまざまな種類があるため、人によっては収入保障保険以外の保険が適しているかもしれません。
それぞれ特性が異なるため、違いを理解して自身に合った保険を選ぶことが重要です。

保険期間に定めがある定期保険

定期保険は「契約から〇年間」というように、保険期間が具体的に定められています。
そのため「子どもが独立するまで」「老齢年金を受給するまでのあいだ」など、一定期間のみ手厚い保障を受けたいとお考えの方におすすめです。

一般的に、定期保険には満期保険金や解約返戻金がありませんが、そのぶん保険料が安く抑えられています。

保障が一生涯続く終身保険

終身保険は、保障を受けられる保険期間が被保険者の一生涯続きます。
同じ保険金額であれば定期保険と比べて保険料は割高に設定されていますが、満期保険金や解約返戻金が用意されているため、相続税の支払いや葬儀の費用といった大きな支出に備えられます。

ただし加入してから払込期間の満了前に解約する場合、受け取れる金額が保険料の払い込み金額を下回る可能性があるため、注意が必要です。

収入保障保険とほかの保険との違い

収入保障保険が、ほかの死亡保険と比べて大きく異なる点は、保険金の受け取り方法です。
一般的に死亡保険では、被保険者の死亡時に一括で保険金を受け取ります。
一方、収入保障保険は毎月決まった金額を受け取る年金形式です。

なお、収入保障保険は保険期間の経過とともに、トータルで受け取れる保険金が少なくなっていきます。
契約後に受け取れる保険金の総額が変化するという点も、ほかの死亡保険にはない特徴の1つです。

収入保障保険が向いている方

収入保障保険は、万が一の際の生活資金を確保することが難しい方に向いています。
家計の中心となっていて経済的責任が重い方や、遺族年金のような公的な保障だけで生活をするのが難しいと感じる人におすすめです。

当然ですが、収入保障保険は誰もが適しているわけではありません。
終身保険や定期保険と比較しつつ、自身に合ったものを選ぶことが大切です。

家計を支えている方

収入保障保険の加入を検討している方の多くは、家庭を持っています。
家計を支えている方がいなくなってしまうと、残された家族は金銭的な苦労を強いられるでしょう。
家計が1人の収入に依存している場合、収入保障保険に加入することで生活が困窮するリスクに備えられます。

小さい子どもがいる方

今後さまざまな場面で教育資金が必要になると予想できる、小さいお子さまがいる方も収入保障保険の保障内容に適しています。

一般的に子どもの成長にともなって必要な資金は減少していくため、保険期間が進むごとに受け取れる保険金の総額が変動していく収入保障保険はうってつけです。

個人事業主やフリーランスの方

個人事業主やフリーランスの方は厚生年金に加入していないため、死亡時に遺族が受け取ることのできる遺族年金が手薄になっています。
収入保障保険は、遺族年金では足りない金額を補う手段として有力です。

「民間の保険で死亡保障を手厚くしておきたい」と考える個人事業主やフリーランスの方は、収入保障保険の加入を検討してみましょう。

収入保障保険のメリット

条件に合った内容の収入保障保険に加入できれば、多くのメリットが得られます。
ほかの死亡保険と比べたうえで、収入保障保険の保障が自身にとって適切な内容か、加入する前によく考える必要があります。

メリット①抑えられた保険料で保障が得られる

収入保障保険のメリットの1つは、保険料を抑えながら大きな保障が得られる点です。
死亡保険では、もしものときに備えて毎月保険料を払い込んでいきますが、負担が大きくなって今の生活に困窮してしまえば本末転倒です。

収入保障保険は保険期間が経過するごとに、受け取れる保険金が少なくなるため、保険料が安く設定されています。

メリット②死亡や高度障害のリスクに備えられる

収入保障保険は被保険者が死亡または高度障害になった際に、遺族に資金を残す手段の1つです。

遺族に資金を残したい理由は、一般的にローンの支払いや子どもの教育費など、生活における支出が関係しますが、その多くは時間の経過とともに減っていきます。
保険期間が経過すると、保険期間中に受け取れる保険金の額が減っていく収入保障保険は、被保険者の万が一のリスクに合理的に備えられると言えるでしょう。

メリット③生活費に合わせて受け取れる保険金の額を決められる

毎月決まった金額を受け取ることができる収入保障保険は、生活費の補填に役立ちます。
あらかじめ毎月の生活費がいくら必要なのかを計算できていれば、用意しておきたい資金に合わせて、受け取れる保険金の額を設定できます。

受け取りたい保険金に応じて保険料が決まるため、必要以上の保険金を設定すると月々の負担が大きくなり、今の生活が苦しくなってしまうかもしれません。
保険金を一括で受け取る死亡保険の場合、必要な額を適切に想定するのは難しいでしょう。
保険金の受け取り方法が年金形式の収入保障保険では、生活費を計算したうえで適切な保険金の額を決められます。

収入保障保険のデメリット

収入保障保険にはメリットがある一方で、残念ながらデメリットも存在します。
きちんと特徴を把握して、自身に合った保障内容を確認することが重要です。

デメリット①解約返戻金がない

収入保障保険は保険料が抑えられている一方で、解約返戻金はありません。
保険期間が満了するまでのあいだに保障を受けるようなことがなければ、払い込んだ保険料は戻らずに契約が終了します。

貯蓄性のある保険を選びたい方には、満期保険金や解約返戻金がある終身保険や養老保険が向いています。

デメリット②大きな支出には向かない

一般的に収入保障保険の保険金は年金形式で受け取るため、日々の生活費の補填には役立つ一方で、大きな支出には向いていません。
被保険者にもしものことがあった際の相続税の支払いや葬儀の費用といった、まとまった支出への備えとしては適していない保険です。

加入する目的や保険金の用途は、自身に合った保険を選ぶうえで考えたいポイントです。

デメリット③保険期間満了間近だと、受け取れる保険金が少ない

収入保障保険は保険金を年金形式で受け取る構造上、保険期間が満了に近づくほど、受け取れる保険金の総額は少なくなってしまいます。
保険金が少なくなることに不満がある、あるいは貯蓄性のある保険を選びたいという場合は、ほかの死亡保険のほうが適しているかもしれません。

デメリット④課税対象になる

収入保障保険で受け取れる保険金は、全額課税対象です。

保険金を年金形式で受け取る場合、被保険者の死亡時には年金受給評価額に対して相続税が、2年目以降は受け取った保険金に対して所得税がかかります。
なお、保険金を年金形式ではなく一括で受け取る場合は、全額が相続税の課税対象になります。

相続税や所得税が発生するのはデメリットであるものの、受け取った保険金が課税対象になるのは収入保障保険に限りません。

収入保障保険の選び方

収入保障保険は、さまざまな保険会社が取り扱っているため、どのような基準で選べばよいのか、迷ってしまうかもしれません。
収入保障保険を検討する際に、保険期間や受け取れる保険金の額など、いくつか確認しておきたい項目があります。

ご自身が希望する保障内容に合わせて、適切な収入保障保険を選んでください。

関連記事:保険選びのコツとは?チェックすべき点についても詳しく解説

保険期間で選ぶ

収入保障保険の保険期間は、保険会社によって設定できる範囲が異なります。
「60~70歳満了」のように選べる幅が設けられている場合や「60歳満了か65歳満了」のようにキリのよい年齢のみを選べる場合があります。

収入保障保険に加入する際は、自身に合った保険期間を設定できるかどうかの確認が必要です。

保険金の額で選ぶ

被保険者の死亡時に受け取れる保険金の額も、比較基準の1つです。
毎月受け取れる保険金を「5万円~」のように少額から設定できる場合や「10万円、15万円、20万円」のようにいくつかの種類から選択できる場合があります。

検討している収入保障保険が、自身の必要としている保険金の額に対応しているかは、最初に確認しておかなければなりません。
必要な保険金の額は、生活費から遺族年金を引いた金額が目安になります。

保険金の受け取り方で選ぶ

収入保障保険の保険金は、年金形式で受け取る方法と一括で受け取る方法があります。
さらに保険会社によっては、一部をまとめて受け取って残りを年金形式で受け取ることも可能です。

選べる受け取り方の種類は保険会社によって異なるので、あらかじめ確認しておきたいポイントです。

健康状態による保険料の割引の有無で選ぶ

死亡保険の保険料は、被保険者の健康状態によって決まります。

たとえば、保険会社によっては、非喫煙者に対して割引を行う場合があります。
過去に喫煙歴があっても1年以上禁煙している、あるいは自身が非喫煙者であっても受動喫煙しているとみなされ基準を満たせないなど、保険会社によって判断は異なります。

健康状態に問題がない方は、収入保障保険を選ぶ際に割引の有無をチェックしてみましょう。

収入保障保険はお手頃な保険料で万が一のリスクに備えられる

今回は、収入保障保険のメリット・デメリットや、ほかの死亡保険と異なっている点を解説しました。
お手頃な保険料で万が一のリスクに備えられる一方で、満期保険金や解約返戻金がないため、満期までに何事もなければ払い込んだ保険料は戻ってきません。

各保険会社が収入保障保険を用意しているため、保障内容を比べて適切なものを選ぶ必要があります。
「どのように比較したらよいのかわからない」「収入保障保険選びで迷っている」という方は、保険ショップに相談することをおすすめします。

兵庫県で保険の相談を考えている方は、ほけんスマイルへお問い合わせください。
保険に関するご要望をお伺いしたうえで、最適な保険をご提案します。

兵庫県で保険を見直し・相談ならほけんスマイルへぜひご相談ください。

この記事を書いた人

ほけんスマイルWeb編集部

ほけんスマイルWeb編集部

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