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うつ病でも生命保険には入れる?加入しやすい保険も紹介

2024.01.22

うつ病は身体的・肉体的ストレスにより誰でも発症する可能性のある病であり、決して他人事ではありません。
だからこそ、もしうつ病を発症してしまった場合の、生命保険(死亡保険)への加入可否は気になるところですよね。

この記事では、うつ病に罹患した場合でも生命保険への加入できるかどうかや、保障制度を紹介します。
生命保険への加入を検討されている方、また心身にご不安を抱えられている方は、ぜひご一読ください。

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うつ病とは?

うつ病は、心の病です。
日本人の5人に1人は生涯でうつ病にかかるといわれるほどであり、我が国における根深い社会問題でもあります。

肉体的・精神的ストレスにより脳内におけるドーパミンやセロトニンなどのホルモン分泌が正常に行われなくなることが原因と考えられています。
うつ病になると気分が晴れずに、鬱屈する精神状態が長く続くこともめずらしくありません。
また多くの場合、精神だけではなく、だるさや疲れやすさ、食欲不振などの身体的不調をともなうのも特徴です。

うつ病を発症すると、仕事はもちろん日常生活にも支障をきたしはじめ、最悪のケースでは自殺へと至ります。

うつ病にならないためには、規則正しい生活と、適度な運動、良質な睡眠により、ストレス解消を図ることが大切です。
精神的・肉体的に過度のストレスを感じている場合は、その対象から距離を取るのが理想的です。
もちろん、それが難しい場合も多くあるでしょうから、そんなときは一人で抱え込まずに周囲に相談してください。
そのうえでなお、心身に異常を感じた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

うつ病発症後に生命保険へ加入できるのか?

うつ病を発症してしまい、医療機関でその旨の診断が下された場合、生命保険へは加入できるのでしょうか?
答えとしては、「保険加入に制限がかかる」ことになります。

うつ病は、生命保険の加入時に申告が義務付けられている疾病の一つでもあり、うつ病と診断されている場合、生命保険への加入は難しいのが現状です。
これは、うつ病に罹患すると自殺のリスクが顕著に高まることに、保険会社側が多大な懸念を抱いているためです。
このように、基本的にはうつ病と診断されたあとに生命保険に加入することはできませんが、発症前に加入していれば問題ありません。

ただし、下記に挙げる条件に当てはまる場合は、うつ病と診断されたあとでも生命保険に加入できるケースがあります。

【うつ病の診断後でも生命保険に加入できるケース】

  • うつ病が完治して5年以上経過している場合
  • 現在健康であると医師が証明した場合
  • うつ病の症状が軽く医師が経過観察中と判断した場合

うつ病が完治して5年以上経過している場合は、申告の対象にならず、生命保険に問題なく加入できる可能性があります。
また、上記に該当しなくても現在の健康状態が良好であると医師から証明してもらえた場合や、うつ病の症状が軽い場合も加入できる可能性が高いです。
ただしこれらのケースでも、保険料が上乗せされる、あるいはうつ病による入院・手術費用を一定期間保障対象から外す、などの条件が付加されるケースもあります。

いずれの場合においても、現在健康であり、再度うつ病を患うリスクが低いと医師が診断していることがポイントです。

なお、うつ病の方でも加入しやすい保険については、後の段落で触れます。

うつ病である事実を隠して生命保険に加入したらどうなる?

うつ病だと生命保険に加入できないというのは先述の通りですが、だからといってうつ病と診断された事実を隠して加入するのは絶対に避けてください。

保険金の支払いにあたっては、保険会社による綿密な調査が行われます。
その際に、通院歴や病歴が明らかになれば「告知義務違反」に該当します。
こうなると、通常は保険金の支払いケースに該当する、疾病そのほかの事由であっても、保険金が支払われません。
また、強制的に保険を解約される、あるいは支払った保険料が返還されない等のケースもあります。

このような事態に陥らないよう、うつ病の診断履歴は必ず加入時に告知しないといけません。

生命保険の更新時にうつ病になっていた場合

では、加入時にはうつ病でなかったものの、加入後にうつ病と診断され、更新を迎えた場合はどうなるのでしょうか。

この場合は、被保険者に告知義務はないので、基本的にはそのまま更新可能です。

ただし、一度保険を解約したうえで、再度同じ保険に加入する場合は、この限りではありません。
保険の解約は、慎重に検討したいところです。

関連記事:生命保険で義務付けられている告知内容を詳しく解説

うつ病を発症したら保険金は受け取れるのか?

加入後にうつ病を発症した場合、「死亡保険」や「医療保険」であれば、基本的には保険金や給付金が支払われる決まりです。

ただし、下記に該当するケースでは、保険金の支払いがなされない場合もあるので注意が必要です。

保険金支払いの対象外となるケース

  • 告知義務違反があった場合
  • 責任開始期前に発症した場合
  • すでに入院給付の上限回数に達している場合
  • 通院が保険の対象外となるケース
  • 通院給付の上限日数を満たしている場合
  • 入院後の通院のみを保障の対象としている場合
  • 一部の就業不能保険
  • 一定期間内の自殺

上記の通り、これまでの給付状況や保障内容によっては保険金が支払われません。
また、一部の就業不能保険に関しては、そもそもうつ病などの精神疾患を対象外としている商品もあり、保険金を受け取れないケースもあります。
これは、うつ病をはじめとした精神疾患の症状に、肢体障害や内臓疾患のような客観的な検査数値等がなく、障害の判断が難しいためです。

うつ病でも加入しやすい保険の種類

うつ病と診断されたからといって、すべての保険への加入をあきらめる必要はありません。
うつ病を患っていても加入できる保険は数多くあります。

ここからは、うつ病と診断されても加入できる可能性の高い保険を3つ紹介します。

引受基準緩和型死亡保険

引受基準緩和型は、ほかの保険よりも告知項目が少ない保険を指しており、うつ病を含む病歴や健康状態に関する審査基準のハードルが比較的低いという特徴があります。
引受基準緩和型死亡保険であれば、うつ病のほか、心身の病を抱えた方でも加入できる可能性が高まります。

審査は「はい/いいえ」の二択で回答できる設問が多いため、加入時の心理的なハードルも高くはありません。

ただし、一般的な死亡保険よりも保険料は割高になります。
うつ病に限らず、何らかの疾病等を抱えられており、保険加入時の審査に不安を感じられている方は、引受基準緩和型死亡保険の検討をおすすめします。

無選択型死亡保険

医師による診断結果の告知義務がない「無選択型死亡保険」もあります。
告知義務がなく、健康状態も問われないので、うつ病を患っている方でも加入が可能です。

ただし、先述の引受基準緩和型の保険と比べても、保険料はさらに高額なため、金銭面での負担は小さくありません。
また、保険金の支払いに関して、一定期間支払い猶予期間が設けられています。
さらに、商品の多くは契約から1~2年は、万が一のことがあっても死亡保険金が支払われず、支払った保険料ぶんしか返ってこないなど、条件面での難点も見受けられます。

そのため、ほかの保険に加入できなかった場合の、最後の砦として考えておくのが賢明でしょう。

がん保険

がん保険は、がんの保障に特化した保険であり、がんにかかった場合の治療や通院、入院などにかかる費用を幅広くカバーします。

加入時の告知内容は保険会社によりますが、がん関連の診断に限られているケースが多く、精神疾患であるうつ病の告知義務がない場合もあります。
そのため、うつ病と診断された場合でも、がん保険には加入できる可能性が高いのです。
がんは、もはや日本人の国民病と言っても差し支えないほど患者数の多い疾病ですから、がん保険に加入している方も多くいらっしゃいます。

ただし、がん保険は、がん以外の疾病や事故に対する保険金の支払いはなされないので、この点には留意しておきましょう。

関連記事:がん保険の適切な選び方とは?3つのポイントを紹介

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【うつ病】知っておきたい主な公的保障や支援制度

うつ病にかかったときは、就業が困難になるケースも多く、経済的に追い詰められる心配もないとは言えません。
もし万が一発症してしまった場合は、保険以外にも利用できる公的な保障や支援制度がいくつかあるので、利用を検討しましょう。

最後に、うつ病患者を支援する公的保障や支援制度を6つ紹介します。

傷病手当

傷病手当とは、病気や怪我が原因で就業が困難になった際、最長1年6か月間、手当金を受け取れる公的保障制度です。

傷病により休業を余儀なくされた被保険者と、その家族の生活を保障するために設けられています。
連続して4日以上休業した日を起算日とし、期間中は1日あたり「給与の日額×2/3」を受け取ることができます。

うつ病を発症すると、長期にわたって休業を強いられることも少なくないので、このような場合は傷病手当を申請してみるとよいでしょう。

自立支援医療

自立支援医療は、精神疾患の治療・通院に対して、自己負担の上限を設けた制度です。
これにより、患者本人の経済的負担を減らすことが目的です。

仮に、1か月間に支払った医療費が上限に満たなくとも患者負担は1割となり、通常の3割負担よりも軽減されます。
申請を希望する場合は、市区町村の窓口で希望を出したうえで、認定を待ちます。

通院が長引き医療費がかさむケースも少なくない、うつ病をはじめとした精神疾患にかかった際の経済的負担を軽くするための、公的医療制度として覚えておきましょう。

高額療養費制度

高額療養費制度は、患者の所得に応じて、医療費の自己負担額に上限を設ける公的医療保険の制度です。
医療費がかさみがちな先進・高度医療を受けた際の、患者の経済的負担の軽減を目的としています。

なお、患者は一度窓口で医療費を支払ったうえで、既定の上限額を超えたぶんについては、後日払い戻しを受けるかたちをとっています。
治療や通院にかかる費用の一部を減らすことが可能なので、該当する場合は積極的に利用していきたい制度です。

障害年金

障害年金とは、怪我や病気によって、就業が困難になった際に患者とその家族の生活を保障するための年金です。

うつ病や統合失調症でも、症状次第で障害年金を受け取ることができます。
うつ病などにかかり、通院履歴があれば、障害年金3級までが認定対象となります。

国民年金に加入している場合は「障害基礎年金」が、厚生年金の場合には「障害厚生年金」が支給される決まりです。
それぞれ支給される金額や条件には違いがあるため、年金窓口などで詳細の確認をとってみてください。

労災保険

被保険者が、業務中および通勤中に病気や怪我をした際に、その治療・通院にかかる費用が全額支払われる制度です。

労災病院をはじめとする指定病院の場合は無料で治療を受けられ、指定病院以外の場合は、後日治療費が支給されます。
なお、労災は雇用形態や就業期間にかかわらず支給の対象になります。

就労している限り誰でも対象となる保障制度ですから、うつ病になってしまった場合はまず労災の申請を検討してみましょう。

生活保護

所有する資産状況や本人の能力を勘案したうえで、憲法が保障する最低限度の生活を維持できない生活困窮者と判断された場合は、生活保護の認定を受けられます。

生活保護の対象と認められた場合は生活保護費が支給されますが、その金額はお住まいの自治体によって違いがあります。
生活保護を受けると、指定の物件に住まなければならないなど、何かと制約も多くなるため、よく調べてから申請の有無を決断しましょう。

うつ病と診断されても加入できる生命保険はある!

いかがでしたでしょうか。
今回はうつ病を発症した場合でも生命(死亡)保険に加入できるのかという疑問にお答えしつつ、うつ病になってしまった際に利用できる保障制度も紹介しました。

うつ病と診断された場合、基本的に生命保険への加入は難しいものの、完治後5年以上経過しているケースなどでは、加入できる場合もあります。
うつ病を発症してしまった場合は、自立支援医療や労災、傷病手当、障害年金といった支援制度があるため、これらの仕組みを調べたうえで賢く利用したいところです。

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この記事を書いた人

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