保険の乗り換えで生じるメリットと乗り換え時に気を付けたいポイント
2022.10.18
保険に加入すると、頭を悩ませることになるのが乗り換えです。
さまざまなメリットがあるといわれるため、乗り換えを検討している方は多いでしょう。
ただし、デメリットがないわけではありません。
したがって、保険は「乗り換えたほうがよいケース」と「そのまま継続したほうがよいケース」に分かれます。
保険の内容や現在の状況に合わせて、乗り換えを検討することが大切です。
この記事では、生命保険の乗り換えを検討したい3つのタイミングと乗り換えで生じるメ
リット・デメリット、乗り換え時に注意したいポイントなどを詳しく解説しています。
以下の情報を参考にすれば、加入中の保険から乗り換えるべきかどうかが判断しやすくなるはずです。
保険の乗り換えが気になっている方は参考にしてください。
目次
生命保険の乗り換えとは?
生命保険の乗り換えとは、加入中の保険を解約し、同じ会社または別の会社の保険商品へと切り替えることです。
なお、乗り換えと混同しやすいものに「更新」や「転換」があります。
関連記事:生命保険を解約せざるを得なくなったら?最適なタイミングを解説
更新とは
更新とは、加入中の保険の契約を更新することです。
特段の手続きは必要なく、審査もありません。
ただし、毎月の保険料は更新前より上がる可能性がある点に留意しておきましょう。
転換とは
転換は、同じ保険会社が扱う別の保険商品への切り替えを指します。
現行の保険を解約する際に受け取れる配当金や積立金を、新たな保険加入の費用にあてられるという特徴を持ちます。
新規加入よりも諸費用を抑えられる一方で、現在よりも運用の効率が下がるおそれがある点には注意が必要です。
生命保険を乗り換えるタイミングはいつ?
適切な乗り換えのタイミングを選択することで、保障の漏れや保険料の無駄を省きやすくなります。
ここでは、生命保険の乗り換えを検討すべきタイミングを紹介します。
契約の更新時期が近い
最初に挙げられるのが、生命保険を更新する時期が間近に迫っているときです。
変更を検討したい主な理由は、ほとんどのケースで更新すると保険料がアップしてしまうからと言えるでしょう。
契約を更新すると、更新時の年齢をもとに保険料が再計算されます。
したがって、更新前よりも保険料は高くなるケースが多いのです。
更新前と更新後の保険料は、満期前に保険会社から届く「更新のお知らせ(名称は保険会社で異なる)」などに記載されています。
内容を確認して当初の予算を上回る、コストパフォーマンスが悪いなどと感じる場合は、乗り換えを検討するとよいでしょう。
ちなみに「更新のお知らせ」をきっかけに設定しておくと、乗り換えの検討を忘れません。契約期間が長くなると、更新時期を忘れてしまいがちです。
「うっかり」を防ぎやすい点も、この時期に乗り換えを検討したい理由の一つと言えるでしょう。
誕生日の前
次に挙げられるのが、誕生日を迎える前です。
年齢を重ねると生命保険における保険事故のリスクは高まるケースが多いため、保険料は高くなる傾向があります。
たとえば、誕生日前と誕生日後で月々の保険料が数百円高くなるケースなどが考えられます。
わずかな金額に思えるかもしれませんが、年単位で考えると大きな差になってしまいます。
乗り換え先の保険料が高くなると、簡単には決断できないと感じる方が多いでしょう。
加入している生命保険の保障内容などに満足していなくても「今回は乗り換えを見送ろう」となってしまうことが少なくありません。
このような事態を防ぐため、誕生日前に乗り換えを検討しておくことが重要なのです。
また、年齢を重ねると健康状態も変化しやすくなります。大きな病気などをすると、保険会社の査定に引っ掛かり乗り換えられなくなることも考えられます。
加入している生命保険に何かしらの不満や不足を感じている場合は、早めに乗り換えを済ませておくほうがよいでしょう。
ライフステージに変化があった
最後に挙げられるのが、ライフステージに大きな変化が生じたときです。
代表的な変化として、結婚・妊娠・出産・マイホーム購入・子どもの独立などが挙げられます。
ライフステージに変化が生じると、必要な保障の内容なども変化します。したがって、生命保険の見直しに適したタイミングと考えられます。
たとえば、結婚すると守るべき家族が増えます。
働き手に万が一のことが起きると、パートナーがその後の人生で経済的に困窮するかもしれません。
ケースによっては、保険金の増額が必要になるでしょう。
条件を整理して、ニーズにマッチしている保険にしなければなりません。
以上はあくまでも一例です。妊娠・出産・マイホームの購入などでも、必要な保障は変わります。
現在の状況に合わせて適している生命保険に乗り換えると、保障の漏れや保険料の無駄をなくせます。
生命保険を乗り換えるメリット
ここからは、生命保険の乗り換えによって得られる3つのメリットを紹介します。
メリット①保険料の負担を軽減できる可能性がある
生命保険を乗り換えると、月々の保険料を抑えられる場合があります。
保険料は、年齢や性別などをもとに算出されますが、この算出方法・基準は保険会社で異なるため、乗り換えによって月々の保険料が下がるケースがあるのです。
また、不必要に手厚い保障が付帯しているケースでは、本当に必要な保障内容のみの商品に乗り換えることで、月々の保険料を節約できます。
メリット②保障内容を最新のものに更新できる
乗り換えによって、保険を最新の保障内容へとアップデートできます。
保険の保障内容は、社会情勢の変化を鑑みて常に進化しています。
新しい医療技術や制度に合わせて、保障金額や内容は常に更新される必要があるためです。
最新の保障内容を網羅した新しい商品へ乗り換えれば、もしものことがあったときでも安心です。
メリット③現在の状況に合わせて保障内容を見直せる
現在のご自身の状況に合わせて、適した保障内容を選択できるのも保険の乗り換えを検討するメリットです。
ご自身に合った保障プランは、結婚や出産、子どもの進学、定年退職などのライフイベントの発生により、その時々で変化していきます。
古いプランのままであると、もはや必要のない保障内容に対して、保険料を毎月払い続けるという「無駄」が発生しかねません。
乗り換えに際して、さまざまな保障プランを検討するなかで、選択肢の幅も広がっていきます。
複数の商品の保険料や保障内容を比較することで選択肢が広がり、よりご自身に合った商品に巡り合える可能性が高まるでしょう。
関連記事:生命保険とは?役割や種類、加入するメリットやデメリット
生命保険を乗り換えるデメリット
生命保険を乗り換えるメリットを押さえたところで、続いてはデメリットもお伝えします。
デメリット①解約返戻金が元本割れする場合がある
解約返戻金(かいやくへんれいきん)が元本割れする懸念がある点は、生命保険の乗り換えにおけるリスクの一つでしょう。
生命保険のうち、貯蓄型とよばれる、「保障」と「貯蓄」の要素をあわせ持ったタイプの商品には、解約返戻金が設定されています。
解約返戻金は、被保険者が支払う毎月の保険料が積み立てられたものであり、契約期間内に中途解約した場合に被保険者へ支払われます。
ただし、契約期間が短いケースでは、この解約返戻金が今まで支払ってきた保険料の総額を下回る、あるいは支払われないケースも少なくありません。
保険会社側としても、短期の運用では利益が出づらいため、十分な積み立てを行えないのです。
解約返戻金が元本割れせずにすむ期間は、保険会社や商品によって異なるので、解約前の確認を怠らないようにしましょう。
デメリット②年齢により保険料が上がるケースがある
年齢は、保険料を決定する大きな要素の一つであり、年齢が上がればそれだけ保険料も高くなる傾向にあります。
これは、年齢が高くなるほど疾病や死亡リスクが上昇するからです。
そのため、前回の保険契約時から長い年数が経っている場合、生命保険の乗り換えにより、保険料が割高になるケースもあります。
保険の切り替えによって値上がりする保険料と、乗り換え後の保障内容をはじめとした諸条件とを天秤にかけ、慎重に検討したいところです。
関連記事:生命保険に毎月いくら払ってる?世代や家族構成、年収別の平均を解説
デメリット③健康状態によっては加入する際に条件がつく
年齢だけではなく、通院歴や健康状態によっても保険料が上がったり、保障内容が以前と変更になったりする懸念があります。
仮に、前回の契約時から現在までに大きな疾病に罹患した、あるいは現在の健康状態が思わしくない場合は、契約中の保険より諸条件が悪くなるケースも考えられます。
そのため、事前に疾病歴や健康状態を保険会社へ伝えたうえで、どの程度の影響があるのかを確認してみてください。
デメリット④新しい保険の審査に落ちるリスクがある
生命保険の乗り換えを検討しても、必ず希望がとおるとは限りません。
先述した健康状態や病歴のほか、転職をはじめとした被保険者を取り巻く状況の変化によって、審査に落ちてしまうケースも少なくないのです。
そのため、現行の保険の解約前に、乗り換えを検討している保険の審査を受けることを忘れてはなりません。
デメリット⑤乗り換え前の保険が「お宝保険」である可能性がある
加入中の保険が、運用利回りのよい「お宝保険」である場合、乗り換えが得策とは言えないかもしれません。
乗り換えによって、かえって運用効率が下がってしまうリスクがあるので、検討している保険商品の予定利率は入念にチェックしておきたいところです。
デメリット⑥手続きが面倒である
乗り換えに際しては、契約中の保険の解約手続きにくわえ、新しい保険の審査や契約も必要になるなど、なにかと手続きが煩雑化するというデメリットもあります。
なお、すべての手続きには1ヶ月程度の期間を要します。
生命保険を乗り換える際にチェックすべきポイント
最後に、生命保険を乗り換えるときにチェックしておきたい6つのポイントを解説します。
ポイント①保険料・保障内容を確認する
まずは、乗り換え先の保険料や、保障内容を確認し、現在の状況や思い描くライフプランに合致しているかどうかを吟味します。
そのうえで、加入中の保険の内容との比較・検討も行いましょう。
なお、加入中の生命保険の保障内容は、契約時に発行される保険証券や更新時に発行される保険契約継続証などで確認できます。
ポイント②健康状態の変化による影響があるか確認する
前回の保険加入時から健康面で変化がある場合は、現在よりも高い保険料が設定される、または、新たな条件が付加される場合があります。
そのため、事前に疾病歴や健康状態を保険会社へ伝えたうえで、マイナス要素の有無を確認してみてください。
ポイント③保険料返還の対象であるかを確認する
各社で時期は異なりますが概ね2010年3月以降に保険加入した方のうち、年払いあるいは半年払いで保険料を支払っているのであれば、解約により払い過ぎた保険料が戻ってくるケースがあります。
なお、解約のタイミングによって、償還される保険料の額は異なってくるので、加入中の保険の契約日を確認のうえ、解約の時期を検討することをおすすめします。
ポイント④解約前に乗り換え先の保険の審査を受けておく
乗り換えたい保険が見つかったとしても、加入できるかどうかは審査を受けてみるまでわかりません。
「契約中の保険を解約したけど、新しい保険の審査に落ちてしまった」という事態にならないよう、解約前に乗り換え先の保険の審査を受け、加入可否を明らかにしておきましょう。
ポイント⑤保障の空白期間を作らないようにする
加入中の保険を解約してから乗り換え先の保険に加入するまでに空白期間が生じると、その間はもしものことがあっても保障を受けられません。
保険料の二重払いになってしまうという難点はあるものの、上述の理由から、空白期間は設けないようにしておきたいところです。
ポイント⑥免責期間・事項を確認する
免責が適用されるケースでは、被保険者は保険金を受け取れません。
免責とは、保険会社が保険金の支払い義務を負わないことを指し、免責期間や免責条件として契約内容に明記されています。
保険商品によって、免責期間・事項は異なるので、契約前にこれらを必ず確認しましょう。
保険の乗り換えを検討しませんか?
いかがでしたか?今回は保険の乗り換えについて詳しく解説しました。デメリットには気を付けなければなりませんが、乗り換えをすることで保障内容や保険料を最適化できる可能性があります。契約更新が迫っている方や誕生日を迎える方、ライフステージに変化があった方は、保険の乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
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