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生命保険とは?役割や種類、加入するメリットやデメリット

2022.12.21

人生いつ何があるかわかりません。万が一、何かあった時に大きな支えになってくれるのが、生命保険です。
ですが、そもそも生命保険とは何なのか、何ができるのかわからず、加入を悩んでいる方もいるのではないでしょうか。中には、加入したほうが良いとは感じているものの、自分にとっての必要性がわからず、先延ばしにしている方も。

そこで、生命保険について理解を深めたうえで加入をしたいと考えている方のため、押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。この記事を読むことによって生命保険の基本から種類、加入のメリット・デメリットがわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

生命保険とは

生命保険とは、その保険に加入している方々がそれぞれ保険料を出し合い、万が一、ケガや病気などが起こった方に対して保険金を支払う制度です。

この制度は、保険の加入者それぞれが支え合う「相互扶助」と呼ばれる仕組みによって成り立っています。加入者が少しずつ保険料を出し合うことにより、万が一の事態に陥ってしまった方に対して、まとまったお金をお渡しすることができます。
生命保険に加入しておけば、相互扶助の仕組みにより病気やケガにしっかり備えることが可能です。

また、被保険者が死亡した場合に保険金が支払われる生命保険もあります。このように、生命保険は被保険者と、その家族を支えるためのものです。一般的に生命保険の受取人は独身の方であれば親や兄弟、夫婦なら配偶者、子どもがいる場合は配偶者または子どもを選択します。
保険会社では受取人に指定できる範囲を定めているため、家族以外の第三者を受取人として設定することは難しくなります。

日本は、諸外国と比較すると公的保険制度が整備されている国といえます。ですが、実際に大きなケガや病気に見舞われた場合、公的保険制度だけで対応できるかというと、難しいケースもあります。公的保険制度だけでは対応しきれない部分を手厚く補うのが生命保険と言えるでしょう。

生命保険の役割

生命保険には、大きな役割が5つあります。
ここでは、生命保険が持っている役割について解説します。

役割1.万が一、死亡や高度障害になった場合の備え

生命保険は、死亡した場合や、高度障害状態になった際に保険金を支払い、被保険者を支えます。
高度障害とは、病気やケガなどにより、著しく身体の機能が損なわれている状態のことです。例えば、両目の視力を失った場合や中枢神経系、または精神に著しい障害が残ってしまったために終身常に介護を要するものなどです。

他にもさまざまなことが挙げられます。死亡・高度障害状態になってしまった場合、生命保険に加入していれば、生命保険会社から受取人に対して保険金が支払われます。

そのため、自分に何かあったとき、家族のための備えとして生命保険に加入している方もいます。死亡時は葬儀代などがかかることになりますが、そういったものも支払われた保険金から工面することが可能です。また、遺族の生活費としても役立てられます。

貯蓄があるから生命保険は必要ないと考える方もいるでしょう。ですが、例えば、一家の大黒柱が亡くなってしまった場合、残された家族が生活に困ることなく暮らしていくためにはかなりの貯蓄が必要です。
配偶者や子どもの生活費はもちろんのこと、子どもの教育資金などについても蓄えておかなければなりません。数百万円程度では足らず、数千万円程度の貯蓄が必要になるのが一般的です。
こういった貯蓄が難しい方は生命保険への加入を検討してみると良いでしょう。

役割2.病気やケガした場合の保障

医療保険を契約しておけば、被保険者が病気やケガで入院した場合、入院費用や手術費用といったものが保障されます。また、医療保険の中には、がん保険や三大疾病など、疾病を限定することによって手厚く備えられるもののあります。

関連記事:医療保険に複数加入するメリットと注意すべきデメリットをチェック

役割3.働けなくなった場合の備え

死亡・高度障害に至らなかったとしても、しばらく働けなくなるような大きなケガ・病気をしてしまうことがあります。就業不能保険などに加入しておけば、長期間働けなくなったとしてもその間の収入をカバーできるのが特徴です。
働けない間も生活費や子どもの教育費、住宅ローンや家賃の支払いなどは発生します。

こういった先送りできない支払いがあったとしても、毎月給付金を受け取れる就業不能保険に加入しておけば精神的にも安心できるでしょう。

役割4.介護が必要になった場合の備え

何らかの理由によって介護が必要になった場合も生命保険で備えられます。所定の要介護状態が一定期間続いているか、一定の要介護認定を受けた場合が対象です。
国では、所定の要介護状態をケガや病気などによって2週間以上にわたって常に介護が必要な状態と定めています。

一方で、保険会社が独自の基準を定めているものもあるので、よく確認が必要です。万が一、介護が必要になった場合の備えとしても生命保険が役立ちます。

役割5.貯蓄や資産形成のため

生命保険のうち、積み立てタイプの商品を選択しておけば貯蓄として活用可能です。受け取り方としては年金形式や一時金が選択可能で、加入のタイミングによっては支払い額以上に給付を受けることもできます。
保険のみですべての資産形成を行うことは難しいです。しかし、保険の利用目的としては資産を増やすだけではなく、死亡時の保障等を備えられるのが特徴です。また自身で資産を運用する必要がないといった安心もあります。

生命保険の種類

生命保険には、いくつか種類があります。代表的なのは死亡保険、生存保険、生死混合保険、これらに分類されない保険です。それぞれ解説します。

死亡保険

死亡保険は、被保険者が死亡した場合に保険金が支払われる保険です。死亡ではなく、所定の高度障害状態になった場合に保険金が支払われるものもあります。
死亡保険の中でも定期保険、収入保障保険、終身保険などに分類されます。

定期保険

定期保険とは、保険期間が5年や10年といった形で決められているものです。
何かあった際には一度にまとまった保険金を受け取れます。一般的には掛け捨てタイプの商品が多いことから、解約した際や満期時に戻ってくるお金はほぼないといえます。
商品によっては解約返戻金が用意されているものもありますが、金額は大きくありません。

収入保障保険

収入保障保険とは、定期保険と同様に保険期間が決まっている商品です。被保険者が死亡、または高度障害状態といった場合に受け取れます。一括で支払われる定期保険とは異なり、毎月10万円、15万円といった形で保険金が受け取れる年金形式となっています。

保険期間が終了するまで年金形式で支払われますが、選択肢として受け取りを開始する際に一括で保険金の支払いを希望することも可能です。ただ、一括支払いを選択した場合は、年金形式で受け取るのと比較して総受け取り額が少なくなる点に注意しなければなりません。

特に、生活費は住宅費だけではなく教育費負担が大きくなる子育て世帯や、遺族年金が少ない個人事業主やフリーランスの方に向いている保険だといえます。受け取れる保険金の総額は保険期間の経過とともに下がるのが注意点です。
死亡してから保険期間が満了するまでの期間まで支給が継続することになるため、長く保険期間を残して死亡した場合はその分長く保険金を受け取れます。

終身保険

一生涯にわたって保障が継続するのが終身保険です。積み立て型や貯蓄型の保険とも呼ばれており、解約をした場合は加入期間に応じる形で解約返戻金が支払われます。

まとまったお金が必要になったような場合に解約して役立てることも可能です。ただ、払込期間が終了する前に解約した場合は、受け取れる解約返戻金総額が払込保険料総額を下回ることもあります。
保険料の払込期間は、一生涯にわたって支払いを行う終身払タイプのほか、規定の期間や年数から選択する有期払タイプの2種類です。

例えば、払込期間を60歳などに選択しておけば、老後資金として活用できるので、貯蓄性の高い保険といえます。
注意点として、終身保険は保険金が一生に一度は必ず支払われる特徴を持っているのですが、その分保険料が割高です。

関連記事:保険の終身・定期とは?それぞれの概要とメリット・デメリット

生存保険

生存保険は、被保険者が契約してから一定期間が満了するまでの期間、生存していた場合に保険金が支払われるものです。そのため、保険期間中に被保険者が死亡してしまったような場合、保険金は支払われません。
ただ、実際には死亡保障がついている商品が多いといえます。

代表的な商品としては、子どもの将来の学費を準備する目的で選択される学資保険や、老後資金の準備として活用できる個人年金保険などです。
生存保険の種類は大きく分けて3つあります。まず、生死に関係なく一定期間は年金が支払われる確定年金です。それから、契約期間中に被保険者が生存している場合のみ支払われる有期年金があります。生存している限り死亡するまで支払われる終身年金も生存保険のひとつです。

生死混合保険

生死混合保険とは、満期まで生存できるかによって受け取れる保険金が変わるものです。保険期間中に死亡されたり、所定の高度障害状態となってしまった場合は、死亡保険金や高度障害保険金が支給されます。

一方、満期まで生存できた場合は、満期保険金が支給されるものです。
代表的な商品は「養老保険」です。養老保険では、死亡時や・高度障害状態になった際に支払われる死亡保険金や高度障害保険金と満期時に支払われる満期保険金があります。

3つの分類以外の保険

紹介した3つ以外にも、生命保険に該当するものがあります。
代表的なのが、生きている間に発生するリスクに備えられる保険です。例えば、病気やケガなどによって院・手術が必要になった場合に備える目的で加入する医療保険や、がん保険が挙げられます。

他にも、病気やケガなどにより収入が減ることがありますが、収入減に備えるための就業不能保険などもあります。

生命保険のメリット・デメリット

生命保険に加入するにあたり、メリットとデメリットの両方をおさえておきましょう。代表的なメリット・デメリットについて解説します。

生命保険のメリット

生命保険に加入する代表的なメリットは以下のとおりです。

メリット1.いつ起こるかわからない万が一に備えられる

万が一のことが発生した時の備えになることが挙げられます。自身では健康だと思っていても、気づかないところで病気が進行しているケースは珍しくありません。
また、自分では十分に備えていたとしても、他人の不注意が原因の事故に巻き込まれ、大きなケガをしてしまう可能性もあります。

生命保険では、こういった「もしも」に備えることが可能です。大きな病気やケガをすると治療費がかかることになりますが、特に貯蓄がない方は大変な思いをすることになります。
費用面が原因で希望する治療が受けられなくなってしまう可能性も高いです。
がんなどの治療では高額の治療費が発生するケースも珍しくありません。難しい治療が必要なかったとしても、入院期間が長くなればそれだけ入院費用もかかります。

今すぐリスクに備えられるのも大きなメリットです。例えば「将来的なケガや病気のリスクに備えるため、貯蓄をしておこう」と考えても実際にまとまった額の貯蓄が貯まるまでには時間がかかります。
ですが、生命保険であれば加入してすぐに万が一のことが起こっても保障を受けられるのがメリットです。

生命保険は実際に大きな病気やケガが発生してからでは加入が難しくなってしまうので、あらかじめ加入しておくことが大切です。

メリット2.自分だけではなく家族や子どもも守れる

生命保険によって助かるのは、自分だけではありません。家族や子どもを支え、守ることにもつながります。支えるべき家族がいる方にこそ生命保険は重要といえるでしょう。
生活環境によって必要な期間を考慮して保険金の額を大きく設定することも可能です。

メリット3.税負担の軽減につながる

死亡保険について、受け取る方は一定金額まで非課税となるため、相続対策として活用することも可能です。生命保険料は生命保険料控除として所得控除の対象となるため、所得税や住民税の軽減につながるのもメリットだといえるでしょう。

4.保険は蓄えとして活用できる

貯蓄機能を備えた保険を選択しておけば、万が一の時の保障が受けられるだけではなく、将来的な備えにもつながります。例えば、終身保険や養老保険、学資保険、個人年金保険などです。

将来的に備えたいと考えているものの、なかなか貯蓄まで手が回らないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。貯蓄性能を備えた保険に加入しておけば、資金面での万が一にも備えられます。
一方、掛け捨て型の保険商品では貯蓄ができないので注意してください。

生命保険のデメリット

生命保険には注意しておかなければならないデメリットも存在します。以下のデメリットもチェックしておきましょう。

デメリット1. 必要以上の保険料を支払っている場合がある

生命保険に加入した場合、毎月保険料を支払わなければなりません。ギリギリの生活をしている方などは保険料の支払いが日々の生活を圧迫してしまう可能性もあるでしょう。
ただ、自身にとって最低限の内容で契約をすれば数万円の費用はかからず、数千円程度で抑えることも可能です。

ですが、手厚い保障を受けようと保障内容を充実させた場合や、契約時の年齢が高い場合、設定した保険金額が高い場合などは保険料が高くなります。他にも、持病がある場合、保険料が高くなる場合もあります。

実際に生命保険に加入した後に保険料の支払いが難しくなってしまった場合は、保障内容を見直すなどしてある程度保険料を調整できる場合があります。

一般的に、掛け捨て型の保険のほうが月々の保険料が安く設定されています。ただ、費用面で掛け捨て型を選ぼうと考えている方は、満期まで生存したとしても基本的に解約返戻金がないことや、保障が受けられるのは一定期間のみであることに注意が必要です。
貯蓄型については、仮に途中で解約しても解約返戻金は受け取れますが、月々の保険料が掛け捨て型と比較して割高になります。

例えば、過去に加入された生命保険がある場合、現在のライフステージや環境とは合わなくなっている可能性があります。必要な保障がついていなかったり、反対に不要な保障がついていたりするケースも多いです。
こういったことを見直すことによって適正な保険料で本当に必要な保険を目指せるので、定期的に保険の見直しに取り組みましょう。

デメリット2.インフレになった場合は不利に働く

貯蓄性のある生命保険の場合、契約した際の予定利率で総支払保険料が決定され、保険料は払い込み終了時まで変わりません。そのため、保険に加入した後にインフレが進んだ場合は資産価値が減ってしまうのがデメリットです。
ただ、将来的にどのタイミングでインフレになるのかなどについてはなかなか予想できません。インフレになるかもしれないからといって、必要な生命保険に加入せずにいると、そのデメリットのほうが大きくなってしまう可能性もあります。

こういったリスクを防ぐためには、インフレに強い金融商品にも分散投資するなどの対策についても検討してみましょう。

デメリット3.契約直後の解約は元本割れに繋がる

貯蓄性を持つ生命保険の場合、契約してすぐに解約すると元本割れを起こします。将来的にお金のリスクに備えるため貯蓄型の生命保険を検討している方は注意が必要です。
契約から解約までの期間が短いと解約返戻金が少なくなります。契約してすぐに保険料の支払いが難しくなると解約を検討しなければならないので、資金的にある程度安定している時に生命保険への加入を検討すると良いでしょう。

デメリット4.必ずしも給付金が受け取れるとは限らない

給付金が支払われるのは、支払い事由に該当した場合です。掛け捨て型の保険の場合、契約期間中に支払い事由に該当するようなことがなければ給付金の支払いは行われません。
病気やケガなどをすることなく健康に過ごせるのは良いことではありますが、支払った保険料が無駄だったと考えてしまう方もいます。

終身型の保険を選択したり、健康祝い金が用意されていたりするものを選択するのも一つの方法です。

生命保険の選び方

生命保険といっても実にさまざまな種類があるため、どれを選択すれば良いか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。すべての人に共通して最適な保険はありません。
重要なのは、自分にとって適切なものを選択することです。まずは、何の目的で保険に加入するのかから考えましょう。
ケガに備えたい、子どもの進学に備えたいなど、人によって加入の目的が異なります。

続いてどの程度の保障額があれば良いのかを検討したうえでプラン選びをしましょう。
ライフプランによって必要な保障額が変わってくるため、ライフプランも含めたうえで検討することが重要です。

保険に加入する目的とライフプランの予定を明確にし、それに合う保険を選んでいきましょう。

生命保険のタイプについて考えることも欠かせません。例えば、掛け捨て型と貯蓄型のどちらにするのか、全期型と更新型のどちらを選ぶかなどについても検討しましょう。
保険の選び方のポイントや、ライフステージ別の生命保険の選び方については以下で詳しく紹介しているので、こちらを参考にしてください。

関連記事:保険選びのコツとは?チェックすべき点についても詳しく解説

生命保険の必要性が高い人・低い人

万が一に備えるため、できれば加入しておきたい生命保険ではありますが、必要性が高い人もいれば、そうでない人もいます。
例えば、万が一のことが起こった際に遺族が経済的に困るケースが少ない新社会人の場合、死亡保障はそれほど必要性が高くありません。ただ、病気やケガのリスクに備えるための生命保険への加入は検討しておいたほうが良いでしょう。

子どもが独立した方についてもそれほど手厚い死亡保険は必要性が高くありません。それよりも歳を重ねるごとに病気や介護のリスクにはきちんと備えておくことが重要です。医療保険や介護保険などを検討すると良いでしょう。

生命保険の必要性が高い人は、結婚をしている方や扶養する家族がいる方です。自分が働けなくなってしまった時に家族が大変な思いをすることを考えると、しっかり備えておくことが重要になります。
また、十分な貯蓄ができておらず、急な病気やケガに対応できない方も、もしもの備えとして生命保険を検討しておくことをおすすめします。
反対に、独身の方や万が一に備えられる貯蓄が十分ある方など生命保険の必要性が低いです。

このあたりはライフステージなどによっても変わってくるので、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:生命保険はいらない?必要性が高い人と低い人について解説

いざというときに備えられるのが生命保険

いかがだったでしょうか。生命保険とは何か、どういった目的があって加入するのかなどについて紹介しました。
病気やケガの際に必要になるお金を全額自身で出せる方にとっては必須とはいえませんが、そうでない方にとっては非常に心強い制度です。

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この記事を書いた人

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